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フリック監督「日本戦は過去のこと」スペインに1-1、ドイツは“大激戦”をどう捉えたか「失点のきっかけはブスケッツ」「“ジョーカー”のモラタが…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byKazuo Fukuchi/JMPA
posted2022/12/01 11:03
ドイツのフリック監督。日本戦では批判の的になったが、スペイン戦に対し、堂々たる戦いぶりを示し、3戦目で“奇跡の逆転突破”を狙う
股下を抜けた。危険だ!
「(パスが)股下を抜けた。危険だ! スペインがゴール! ジョーカーのモラタがまたしてもの一撃」
1点を追うドイツは70分にルーカス・クロスターマン、レロイ・ザネ、ニクラス・フュルクルクの3人を交代でピッチへ投入。テレビ解説を務めた元ドイツ代表FWサンドロ・ワーグナーはこの交代に期待を寄せる。
ワーグナー「納得のいく交代だね。フュルクルクはゴール前で存在感を出せるFWだ。ロングボールを収められるし、ラストパスの受け手として重要になる。それにサネは違いを生み出せる選手。1対1でチャンスを作ってくれる。まだ試合は20分ある」
ワーグナーは冷静に「年齢は関係ない」
直後の73分、ザネの見事なスルーパスからムシアラがゴール前にフリーで抜け出す。この試合最高の決定機。だが右足から放たれたシュートはGKが右手でセーブ。ゴール左にはフリーで走りこんでいたフュルクルクがいたため、解説のワーグナーが思わず感情的なコメントを放つ。
ワーグナー「申し訳ない。だが、あそこはパスをしないと! いいシーンだったのは間違いない。この調子で攻め込んでほしい」
実況のシュミットは「ムシアラがまだ19歳で初めてのW杯ということも考慮しないと」とサポートのコメントをするが、ワーグナーは「何歳だったとしてもあのシーンではパスをしなければならない。年齢は関係ない。おそらく(フュルクルクが)見えなかったのだろうけど」とぴしゃり。
そんなムシアラがシュミットとワーグナーを絶叫させたシーンが83分だ。スペインのビルドアップに対してプレスをかけるとクロスターマンがパスカット。ボールを受けたサネが中に持ち込み、スペースへ走りこんだムシアラへスルーパス。ボールをコントロールして抜けようとしたその先に、ドイツの9番がいた。