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フリック監督「日本戦は過去のこと」スペインに1-1、ドイツは“大激戦”をどう捉えたか「失点のきっかけはブスケッツ」「“ジョーカー”のモラタが…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byKazuo Fukuchi/JMPA
posted2022/12/01 11:03
ドイツのフリック監督。日本戦では批判の的になったが、スペイン戦に対し、堂々たる戦いぶりを示し、3戦目で“奇跡の逆転突破”を狙う
クラマー「非常にインテンシブな試合だ」
メルテスアッカー「最初の15分間はスペイン優勢に試合を運ばれた。決定的だったのはオルモがシュートを放ったシーン。どれだけ注意深く守っても、スペース間を巧みについてくるスペインの怖さが表れていた。だがドイツはこれを乗り越えないといけない。あそこでノイアーがセーブしてくれたのは非常に重要だ」
クラマー「非常にインテンシブな試合だ。ドイツは状況に応じて高い位置からのプレスが機能している。注目は左SBラウムが相手右SBまで長い距離を走ってプレスにいき、そこから多くのボール奪取があったのはポジティブなところだ。このインテンシティを保てるのが重要。だが今日はスペイン戦だ。力を振り絞って最後までこのペースを保ってくれるだろう」
スリリングな試合展開だけに、解説を務める両元代表選手の言葉にも熱気がこもる。この試合が持つ意味を感じさせる。そんな緊張感が漂うスタジオに興味深い質問が出てきた。
映し出された試合映像には、スペイン代表MFガビが靴ひもを結ばずにプレーしている様子。司会は少し朗らかな声で、「ガビはなぜ靴ひもを結ばないんでしょうか?」と尋ねると、クラマーは「靴ひもの結び目が気になったりするのかもしれないですね。でもそれなら靴ひもを切った方がいいのかも? 彼のリズムのために大事なんでしょうね」と笑顔になりながら、答えていた。18歳のガビ、そして20歳のペドロはドイツでも注目度は高い。
ムシアラへの期待
そしてドイツが誇るスーパータレントは彼らに対峙するためにその活躍を誰よりも期待されている。司会は続けてジャマル・ムシアラについて質問をしていた。
「ムシアラの前半はいかがでしたか?」
メルテスアッカー「守備で素晴らしいブロックが1つあったね。そしてロドリゴ相手にロングボールを受けたシーンでのプレーが素晴らしかった。相手を背中にしながらボールを完璧にコントロールし、相手からのチャージをものともせずに振り切ったシーンは本当に良かった。後半きっと違いを生み出すプレーを見せてくれるはず」
互角な展開が続く試合に変化が生まれたのは62分。先制点を挙げたのはスペインだった。途中出場したモラタが左SBジョルディ・アルバからのニアサイドへのクロスに抜群のタイミングで飛び込み、ダイレクトシュートでゴール。実況を務めたオリバー・シュミットのトーンが一段上がった。