いちばん印象的なのは、ベースランニングの突進力。50m6秒そこそこのスピードもあるのだが、先を奪おうとする旺盛な意欲には、時として「狂気」すら感じる。エンドランの三塁突入なんて、あのガタイと馬力でふっ飛んで来られたら、サードは腰が退けますよ、おっかなくて。

　春のリーグ戦では、試合を決着させるホームランをはじめとして、なんと5ホーマー。実にいい場面で長打を放ち、バッティングの実戦力は、ワンランクからツーランク、上がったと見る。

　タイミングが合ったら放り込まれる……そういう不安を相手バッテリーに抱かせるだけの「怖さ」を備えてきた。広島カープのルーキー・中村健人外野手の姿がそのまま重なる。

　と、ここまでが「ならば次点は誰なんだ？」ということで、選者の苦しい胸の内を聞いてもらったのだが、読者の方々には、それでもまだ「こっちの選手はどうなんだ？」という燃え尽きぬ思いが残っておられることだろう。

　こういうテーマは、いっそ、どこかに場所を設け、ご面倒ながらも足を運んでもらって、一堂に会した中でかんかんがくがく論じ合ったら、きっとひと晩ぐらい、あっという間に明けてしまうだろう。

　さて「中間発表」があれば、「最終発表」がなくてはならない。「2022ドラフト」は10月20日。毎年恒例の「2022ひとりドラフト」で、10月上旬にでも、全12球団のドラフト指名をシミュレーションしてみたいと思っている。

＜投手編から続く＞