熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「長友を代える必要あった?」「陰のMOMは田中碧」「内容に不満があるのは…」三都主アレサンドロが“快勝サウジ戦”を斬る
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada(L),Takuya Sugiyama/JMPA
posted2022/02/03 17:02
南野拓実と伊東純也のゴールで勝利したサウジ戦。ブラジルで試合を観た三都主アレサンドロに評論してもらった
「酒井からの縦パスが右サイドのスペースへ出て、伊東がマーカーの13番(左SBヤシル・アルシャハラニ)をスピードで簡単に振り切り、カバーに来た5番(CBアリ・アルブライヒ)もかわして絶妙のクロスを入れた。本来なら、5番は伊東をファウルで止めるべき場面。でも、試合開始早々(4分)にイエローカードをもらっていたから、もし2枚目のイエローカードをもらったら退場させられてしまう。単純なスピード勝負なら、伊東が勝つに決まっている」
――5番の最初のイエローカードは、中盤で大迫勇也と競り合った際、一旦離れた後に大迫を小突いてもらったもの。全く不要なカードで、後になってこれが効きました。
「その通り。イエローカードにも、仕方がないものと無駄なものがある。選手は、たとえ試合中にカッとなっても、感情をコントロールしなければならない」
素晴らしい連携だけど……南野は、もっともっとできる
――そして、伊東のクロスを大迫が巧みにスルー。南野が右足でのキックフェイントでマーカーをかわすと、左足でしっかり決めました。
「素晴らしい連携だった。南野が良いポジションに入っていて、能力の高さを発揮した」
――彼にとって久々の、待望の得点でした。
「でも、もっともっとできる選手。試合を通じて、伊東のように相手が嫌がるプレーをやってほしい」
――中国戦では、「攻撃が右サイドに偏っていて、左からの攻めがあまりにも少ない」と指摘していました。この試合ではかなり改善されたのでは?
「少し良くなったとは思う。でも、相変わらず、チームの攻撃の大半が右から。伊東は素晴らしかったが、もし彼を抑えられていたら、日本は苦しくなっていた。強いチームは、それをやってくる。日本はもっと左から、中央から攻めなければならない」
中山は長友が先発で起用される理由を理解したのでは
――最近の試合でずっと批判されてきた長友佑都のプレーをどう思いましたか?
「守備が素晴らしかった。中国戦と同様、日本は右サイドからの攻撃が多いのでバランスを取る時間帯が長かったが、機を見て攻撃にも参加していた」
――後半、長友の代わりに入った中山雄太は?
「守備面で少しミスがあったし、得意とする攻撃でも持ち味を発揮できなかった。そもそも、長友を代える必要があったのかな? もっと長い時間、プレーさせてもよかった。この試合で、中山は森保(一)監督がなぜ長友を先発で使っているかを理解したと思う」
――ただ、危ない場面もありました。前半35分、日本の自陣右サイドからフリーでクロスを入れられ、ゴール前でフリーになっていた選手がいたが、ボールが頭上を越えて事なきを得た。また、後半40分、日本の自陣左サイドで遠藤航が股の間にパスを通され、それを受けた選手が至近距離からクロスを入れたが、守田英正がクリアした。