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巨人、大量16人「戦力外通告」の真相 原辰徳監督の戦略と台頭する“第7世代”の実態とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/11/13 17:03
9勝を挙げる活躍を見せた入団2年目の戸郷。巨人の軸を担う存在となることが期待されている
原監督「巨人軍の軸を担えるような若い世代が出てきた」
そしてこの大幅な選手の入れ替えの背景にあるのが、巨人の“第7世代”とでもいうべき入団2年目の若手選手たちの出現である。
「今年は特に将来の巨人軍の軸を担えるような若い世代が出てきた。そこがシーズンを通して非常に楽しみなところだった」
こう“第7世代”の台頭を振り返ったのは原監督だった。
もちろん先頭を走るのは、今季ローテーションの一角を担って9勝をあげた戸郷翔征投手である。ただ、この戸郷も一昨年のドラフト当時は6位指名。当時はその上の評価の3位と4位で入団したのが右の直江大輔投手と左の横川凱投手だった。
大阪桐蔭の甲子園春夏連覇に貢献した横川
今季の直江は8月23日の広島戦で一軍初登板を果たすと、3試合で勝ち負けはなし。9月21日の広島戦では5回1死まで2失点で初勝利を目前にしながら、連続四死球で降板と悔しい場面もあった。
それでもその素材への評価は高い。
「外角低めにしっかり真っ直ぐを投げ込めるところが魅力。将来のエース候補になり得る素材」
投手出身の堀内恒夫元監督はこう絶賛する。
今季はその広島戦を最後に登録を抹消。シーズン中に持病の椎間板ヘルニアの手術に踏み切ったのも、来季のフル回転を視野に入れてのものだった。
一方の横川は11月4日の広島戦で一軍初登板を果たすと、東京ドームの今季最終戦となる同8日のヤクルト戦で初先発。5回を投げて3安打、4回に塩見泰隆外野手に浴びたソロによる1失点に抑える好投を見せている。
名門・大阪桐蔭高校では中日・根尾昂内野手、ロッテ・藤原恭大外野手と共に2年春から4季連続で甲子園大会に出場し、3年生時の春夏連覇に貢献した実績が光る。