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巨人・坂本だけではない。各球団、
「筋肉系」の故障者が増える理由。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2020/07/10 15:00

巨人・坂本だけではない。各球団、「筋肉系」の故障者が増える理由。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

左脇腹違和感のため7月9日の阪神戦を欠場した巨人・坂本。巨人では田口やデラロサなど主力に故障禍が広がっている。

「いつもとは違う仕上がりで開幕を迎えた」

 例年とコロナ禍の中での今年の違いを、そのトレーナーはこう説明する。

「今年はキャンプからオープン戦に入った段階で1回、その過程が途切れています。キャンプで基本的な体が出来上がったところで試合を重ねて、独特の緊張感や咄嗟の動きなどにも徐々に慣れていく。

 そうして最終的に心身ともに開幕を迎えられる状態が出来上がる訳ですが、今年はその過程がかなり違った。どうしても急仕上げが否めませんし、いつもとは違う仕上がりで開幕を迎えた選手は多いはずです。

 そこに気づかずにいつもと同じ感じで動いてしまうと、筋肉への負荷が自分の想像以上に強くなってしまって、それが故障の原因になっているというのは十分にあり得ると思います」

今年のチームマネジメントの重要なポイント。

 いつもは1つ1つ積み上げて準備をしていく過程が、今年は一度に2つか3つずつ積み上げて開幕を迎えなければならなかった。

 そこでいきなり実戦で「リミッターを振り切った」動きをすると、筋肉が悲鳴をあげてしまう。

 それがこの筋肉系の故障が頻発している原因として推察されることだ。

 7月10日からは5000人の人数制限はあるものの、観客をスタンドに入れての試合もスタートする。8月1日には収容人員の半分の観客を入れた中で選手たちはグラウンドに立つことになる。

 ただ、その中で手を抜くのではなく、どう動きを制御しながらパフォーマンスを上げていくのか。すでにここまでけが人が出てしまったが、残された選手たちにとってはコロナ禍の中での今年のシーズンを乗り切るためには、これも1つの大きな課題となるはずである。

 120試合に短縮されたシーズンでは、主力選手のケガでの離脱はよりその意味が重くなってしまう。危ないと思ったら決してムリをしないし、させないことも、今年のチームマネジメントの重要なポイントになるはずである。

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