プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・坂本だけではない。各球団、
「筋肉系」の故障者が増える理由。
posted2020/07/10 15:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kiichi Matsumoto
開幕から快進撃を続けてきた巨人に暗雲が立ち込めている。
7月9日の甲子園球場での阪神戦のスタメンから坂本勇人内野手の名前が消えていた。
実は雨天中止となった前日に本人が脇腹痛を訴え、中止決定前に発表されていた先発メンバーからも外れていたのである。
「ムリさせる必要はないというところですね。本人が試合前に脇腹をちょっと気にしていたということなので。明日は様子を見て……」
原辰徳監督はそう説明していたが、結果的には翌日の試合も大事をとっての欠場となった訳である。
主力選手に故障禍が広まっている。
坂本は2018年の7月に左脇腹痛で出場選手登録を外れて、復帰までに約1カ月かかった過去がある。いわば古傷の再発。それだけに慎重に慎重を期したということなのだろう。
しかもここにきての巨人は、坂本だけでなく主力選手に故障禍が広まっているのが気になるところだ。
7月4日の中日戦では先発した田口麗斗投手が3回1安打無失点の好投をしながら、左太もも裏の張りを訴えて4回のマウンドに上がることなく降板。翌5日に登録を抹消されている。
さらには田口が抹消された5日の中日戦では1点を追う9回にマウンドに上がった守護神、ルビー・デラロサ投手が先頭のダヤン・ビシエド内野手に本塁打を浴びた直後に異変を訴えた。
すぐさま宮本和知投手チーフコーチがマウンドに走り、本人と話すと両手でバツを作って降板を決定。デラロサは左脇腹の肉離れという診断で、こちらも6日に登録を抹消されることになった。