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中村剛也&栗山巧の仕事ぶりを見よ。
西武を牽引する“骨と牙”の19年目。
posted2020/07/09 11:50
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Hideki Sugiyama
ライオンズの骨と牙・中村剛也と栗山巧が開幕から奮闘している。
開幕戦からスターティングメンバ―として出場した2人だが、栗山は7月7日現在、3割2分というパ・リーグ打率ランキングで10位に入る成績を残し、中村も打率は2割6分5厘ながら、何よりも軽快な守備で幾度もチームのピンチを救っている。
シーズン開幕前に栗山が「僕とおかわり(中村)のようなベテランが自分の仕事をしっかり果たせば、それがいちばんチームのためになる」と語っていた通り、なかなか状態が上向きにならないライオンズ打線の中で、2人が示す存在感は大きい。
2人を形容する「骨と牙」という愛称は2017年の球団公式ポスターで起用された『真獅子の、骨と牙。』というキャッチコピーが発端だ。その後もずっと、ファンの間でことあるごとに使用されている。まさにライオンにとっての骨と牙のように、チームになくてはならない存在である2人だが、こと近年に関しては、決して順風満帆なシーズンを送ってきたわけではない。
故障から再び這い上がってきた2人。
特に中村剛也は2012年、本塁打王を獲得した直後に左膝を手術。翌'13年もその手術の影響で26試合の出場に終わった。その後、2年連続で本塁打王に輝いたが、故障が再発。試合に出場するものの、「痛みが出ないようにと、どこかで膝をかばうスイングになっていた」と、本来の打撃がなかなか戻らず、悔いを残すシーズンが多かった。
しかし'18年にはチームの10年ぶりのリーグ優勝に貢献。'19年には最多打点タイトルも獲得し、チームの連覇に一役買った。
一方の栗山も2017年、右足の故障からレギュラーを外れる試合が増える。しかし、'18年終盤の活躍は、ファンの記憶にもしっかりと刻まれていることだろう。代打からチャンスをつかみ、レギュラーに返り咲いた。