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1000号記念、Number編集長座談会(中)
長嶋茂雄、サッカー黄金期、名言集。
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySports Graphic Number
posted2020/03/28 11:50
爆発的な売れ行きを示した「長嶋茂雄特集」(10号=左)と「サッカーフランスワールドカップ出場決定特集」(432号)
「自分を高く買ってくれるとこだったら、どこでもいい」
河野「700号記念号で『700の名言』という特集を組みました。創刊号から700号に至るまでの選手たちの印象的な言葉を、編集部総出で手分けしてピックアップしたものです。
江川さんの言葉も紹介されています。たとえば『たぶん記録にも残らないし、記憶にも残りたいと思わないわけです』(59号 82年9月4日)。これは『王は記録に残り、長嶋は記憶に残る』と口にしたインタビュアーに対して言ったフレーズなのですが、その後に『ただ、騒がれることによってコマーシャルの仕事がくれば、それはプラスだと思います』といういかにも“らしい”言葉が続いています(笑)。
他にもいわゆる『精神論』について、『腕が折れても投げるって、腕が折れたら生活できないでしょ。ウソですよね』(24号 81年3月20日)と極めてクールに語っています。
野球では落合博満さんの言葉も赤裸々です。ランディ・バースとの“三冠王対談”で『自分を高く買ってくれるとこだったら、どこでもいい』(139号 86年1月7日)。自宅で信子夫人も交えて行われたインタビューでは、『努力とか大嫌いさ、あんなの』(154号 86年8月20日)。
今年行われる予定だった東京五輪が延期されることになりましたが、日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕さんのこんな言葉も紹介されています。'80年5月、当時のJOCはモスクワ五輪ボイコットを決定します。山下さんは金メダル確実と言われていました。『小学校1年で見た東京オリンピックの感激は、正直言ってもう今回で消えましたね』(8号 80年7月18日)。
先に出た『江夏の21球』の江夏さんの言葉も印象深いです。『ピッチャーは一球で地獄を見る。バッターは一振りで天国へ上がれる。しかもピッチャーは一球では天国へ上がれない』(442号 98年4月9日)。ピッチャーの辛さ、特に抑え投手の厳しさを見事に表していると思います。
Numberの記事にはこうした名言がいたるところに出てくるんです」