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「惜しかった」のか「完敗」なのか?
U-20W杯、影山ジャパンの最後の屈辱。
posted2019/06/05 17:30
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
FIFA via Getty Images
韓国の狙いは明らかだった。
前半は徹底して守って無失点でしのぎ、後半に一気に攻撃の牙を剥いて仕留める――。
それは日本の選手も十分に分かっていたはずだ。分かっていたからこそ、前半はとにかくサイドから中、中からサイドという崩しを徹底していたのだし、前半で先制点を奪う明確な狙いもあったはずなのだ。
だが、それが出来なかった。結局、後半はまんまと韓国のギアチェンジの流れに押し流されてしまう格好となったわけだ。
中5日の日本と、中3日の韓国の試合。
5月23日に開幕したU-20W杯。いよいよ舞台はグループステージから一発勝負の決勝トーナメントに切り替わった。エクアドル、メキシコ、イタリアの「死の組」と言われたグループBを、1勝2分で2位通過したU-20日本代表は、決勝トーナメント初戦となるラウンド16で、アジアのライバル・韓国と激突することとなった。
韓国もまたアルゼンチン、ポルトガル、南アフリカと同居した「死の組」であるグループFを2勝1敗の成績で2位通過。初戦こそヨーロッパ王者のポルトガルに0-1で敗れたが、その後は南アフリカを1-0、南米2位のアルゼンチンを2-1で振り切って決勝トーナメントに駒を進めてきていた。
日本はグループリーグ最終戦から中5日、韓国は中3日と、日本の方が体を休める期間がずいぶん長かった。だが、グループリーグで活躍していたFW田川亨介と、前線でタメを作って攻撃の起点となる重要な存在だったFW斉藤光毅がイタリア戦で負傷。そのまま離脱を強いられるなど、万全の状況で臨めてはいなかった。