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CL&ELはプレミア勢が揃い踏み!
リネカー「イングランドに戻ってきた」
posted2019/03/19 07:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
ガリー・リネカーは「イングランドに戻ってきた」と言った。
3月13日のバイエルン・ミュンヘンとの第2レグ。リバプールが今季CL準々決勝進出を決めた直後のセリフで、戻ってきたものは欧州におけるプレミアリーグの時代である。『BTスポーツ』による試合中継の進行役であるリネカーが触れた通り、実に10年ぶりにプレミア勢4チーム揃ってのCL8強入りが実現したのだ。
2008-09シーズンまでの10年間は平均2チームがベスト8に駒を進め、ファイナリストを6回輩出し、そのうち2回は王者に輝いている。つまり、かつてイングランド勢は欧州最高峰の舞台における最大勢力だった。
当時を彷彿とさせる揃い踏みに、母国は活気づいている。
リバプールが“しんがり”として8強入りを果たした際、普段は淡々と語るベテランMFのジェイムズ・ミルナーまでもが、「イングリッシュ・フットボールにとってファンタスティック!」と笑顔を見せたほど。もちろんメディアは、先陣を切ったトッテナム、シティとユナイテッドのマンチェスター両軍に続く準々決勝進出を称えた。
躍る「ファンタスティック・フォー」の文字。
『デイリー・テレグラフ』紙のスポーツ1面は、写真中央にリバプール最終ラインの要でゴールも決めたCBビルヒル・ファンダイクを置き、見出しには「4チーム」にちなんだ「ファンタスティック・フォー」の文字。洒落の利いた見出しが好きな『サン』紙もまた、ファンダイクとかけた「Vantastic 4」という具合だ。
4チームとも素晴らしい戦いぶりを披露した。リバプールは初戦をスコアレスドローで終えたものの、アウェーのアリアンツ・アレナで結果を出した(3-1)。その前日には、マンCは合計10-2のスコアでシャルケを蹴散らしていた。
さらにマンUは、CL史に残る劇的な8強入りを見せた。難敵パリ・サンジェルマンを、アウェイでの第1レグを2-0で勝ちながら敗退した初のチームとした。そしてトッテナムはドルトムント相手にホームで先勝(3-0)し、アウェイでも1-0の確実な勝利で勝ち上がってみせた。