プレミアリーグの時間BACK NUMBER
CL&ELはプレミア勢が揃い踏み!
リネカー「イングランドに戻ってきた」
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2019/03/19 07:00
CL優勝候補1番手と目されるマンチェスター・シティ。まずはベスト4入りを賭けて、トッテナムとのプレミア対決に挑む。
経験値を上げる指揮官。
チームの進歩とともに、監督たちも経験から学んできた。プレミア王者となった昨季もCLでは準々決勝で敗退したマンCでは、グアルディオラが欧州随一の選手層を誇りながら妥協は許さず、攻め続けて勝負を決める姿勢が増している。
マンCは、国内ブックメイカーの予想でもCL優勝最右翼。大量7ゴールでシャルケのドメニコ・テデスコ監督を解任に追い込むなど、ここまで計26得点。大会得点数で他を大きくリードしている。
昨季は決勝に進出しながら3失点でレアル・マドリーに敗れたリバプールは、対照的に良い意味で攻撃性を抑えることを覚えた。8強入りを懸けたバイエルンとの第2レグ前半、最終ラインの位置は攻守に果敢なクロップのチームにしては低かった。サディオ・マネが決めた先制点とダメ押しの3点目は、いずれもファンダイクが蹴ったロングパスが起点となっていた。
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そしてトッテナムがドルトムントから奪った第2レグでの僅差の零封勝利は、ポチェッティーノからしてゲームマネジメントの意識が薄かった以前までならば、実現の可能性は極めて低かったと思われる。
レアルとドイツ勢の敗退。
ドイツ勢が揃ってイングランド勢に敗れて16強で姿を消している点も、「サイクル」の印象を強めた。ドイツ勢のいないCL準々決勝は13年ぶりだ。
バイエルンのユースで育ったオーウェン・ハーグリーブスも、古巣がリバプールに敗れた一戦を解説者として見届けた後で、「ブンデスリーガのサイクルが終わった」と認めて、冒頭のリネカー発言に同意していた。
やはり、優勝に迫って当たり前だったレアルが8強入りに失敗したスペイン勢も、バルセロナが唯一の生き残り。8強に残ったのが1チームという状況は9年ぶりのこと。
逆に、レアルを合計5-3のスコアで下したアヤックスは、オランダ勢として12年前のPSV以来となるベスト8進出。先発11人の平均年齢が今季の8強中最年少である点も、時代の一巡を感じさせる。