プレミアリーグの時間BACK NUMBER
吉田麻也、“ミスター6/10”払拭なるか。
マンU相手に「タイトル倍増チャンス」。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/02/25 11:30
プレミア5年目にして大舞台に挑む吉田。ユナイテッド相手に勝利して、岡崎に続くタイトル獲得を成し遂げたい。
ユナイテッドはイブラヒモビッチ、マタらが絶好調。
当然、今回の決勝ではサウサンプトンが挑戦者と位置付けられている。クラブの格でも、対戦時点でのプレミア順位でもユナイテッドが上だ。そして巷のブックメイカーが提示するユナイテッドの2倍以下の優勝オッズには、チームの調子も反映されている。
ユナイテッドは順位こそ6位だが、プレミアでは昨年10月末から負け知らずでリーグカップ決勝を迎えている。
元来は堅守志向のモウリーニョでさえ「ユナイテッドらしい攻撃姿勢」の必要性を認め、前線では要人たちが仕事をしている。新主砲のズラタン・イブラヒモビッチは、2月の6試合で5ゴール1アシスト。サポート役のヘンリク・ムヒタリアンとフアン・マタも2人合わせて4ゴール3アシストを挙げている。
前節のワトフォード戦では、出番が少なかったアントニー・マルシャルが、マン・オブ・ザ・マッチ級のパフォーマンスで先発起用に応え、ポール・ポグバもダイナミックな攻撃参加の頻度と試合への影響力が確実に高まっている。
吉田の評価は良くも悪くも「ミスター“6/10”」?
対するプレミア11位のサウサンプトンはというと、決勝前のリーグ後半戦は2勝4敗の負け越し。その間には、ウェストハムに移籍したジョゼ・フォンテと、足首を痛めたビルヒル・ファンダイクという正CBコンビを失っている。
1月の移籍市場で画策されたリバプールからのママドゥ・サコ獲得が失敗に終わり、結果的に吉田麻也が第3センターバックからレギュラーに昇格した。その吉田については「後方の弱点になりかねない」と報じる国内紙もあった。
そんな吉田を「ミスター“6/10”」と呼んだのは、『タイムズ』紙で地方のプレミア勢を担当することが多い友人の記者である。「及第点どまり」という評価だ。フィジカル、機動力、空中戦のどれを取ってもそれなりなのだが、最終ライン中央には絶対的な存在感を欲しがるイングランド人から見れば物足りない部分はあるだろう。