“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
前回の高校選手権のヒーローは今?
神谷優太、小川航基の2016年シーズン。
posted2017/01/02 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
熱戦の火蓋が切って落とされている第95回全国高校サッカー選手権大会。
全国から集結した高校生達が、熱き戦いを繰り広げ、新たなヒーローが現れようとしている。
1年前の前回大会。東福岡が決勝戦で國學院久我山を5-0で一蹴し、インターハイに次ぐ、夏冬連覇を成し遂げた。
この大会で輝いた選手も入れば、光を放てなかった選手もいる。悲喜こもごものドラマが生まれた中、“高校選手権の顔”となった選手は、新たなステージで過ごしたこの1年間をどう過ごしてきたのだろうか――。
“1年前のヒーローたち”の中から、プロに進んだ2人のヒーローに光を当ててみた。
選手権は特別。多くの人達から支えられプレーしてきた。
1人目は、準決勝で國學院久我山に敗れ、ベスト4に終わった青森山田のMF神谷優太だ。
この大会は、高3の時に東京ヴェルディユースから青森山田に転入した神谷にとって「最初で最後の高校選手権」だった。
「選手権はやっぱり特別だった。本当に周りの人たちに支えられてサッカーが出来ることを実感出来る大会だったし、本当に青森に来て良かったと心から思った。慣れない環境に来てからの1年間は本当にいろんな想いがあったし、最高の仲間、最高のスタッフに出会えたので。僕にとって、とてつもなく重要な1年だった。この選択は本当に間違っていなかった」
高3の“新入り選手”だった彼を、青森山田の選手達はしっかりと受け入れていた。黒田剛監督も迷わず、かつて柴崎岳が背負った10番を託した。最初で最後の選手権では2ゴールを挙げ、ベスト4まで青森山田を牽引したが、國學院久我山に後半アディショナルタイムに決勝弾を浴び、1-2で敗退した。