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打倒・青森山田は現れるのか?
高校選手権4強、徹底プレビュー。
posted2017/01/06 12:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
AFLO
第95回全国高校サッカー選手権大会もベスト4が出揃った。ベスト4に顔を揃えたのは、東海大仰星(大阪)、青森山田(青森)、佐野日大(栃木)、前橋育英(群馬)の4チーム。今回は準決勝の趨勢を占った。
<東海大仰星vs.青森山田>
今大会最大のサプライズだったのではないか。準々決勝で東海大仰星が、前回チャンピオン・東福岡を1-0で下し、初のベスト4に駒を進めた。
東海大仰星は組織として非常に統率の取れたチームだ。インターハイ予選こそ大阪の決勝リーグで3位に終わり、2校に与えられたインターハイ出場権は獲得出来なかった。だがその後、府リーグ1部を制した勢いに乗って、来季のプリンス関西昇格を決めるなど、夏の屈辱からチーム力は上昇している。
東海大仰星のダブルボランチと両サイドハーフに注目。
中軸となるのが原田紘汰と大崎航詩のダブルボランチ、左の見野龍太郎と右の松井修二の両サイドハーフだ。
3回戦の富山第一戦では9分に右サイドを突破した松井のグラウンダーのクロスから見野が強烈なシュートを放ち、ゴールポストに当たったこぼれ球をMF新保隼人が押し込んで先制した。
その後は原田と大崎が中盤でチャレンジ&カバーを繰り返し、4バックと184cmの2年生守護神・宮本一郎も富山第一の攻撃をシャットアウト。66分には松井のチャンスメークからPKを誘発し、これを決めて2-0の勝利を収めた。
東福岡戦でも、そのダブルボランチが息のあった連携を見せた。東福岡の強力攻撃陣に圧力を掛け、両サイドハーフを起点に機を見たカウンターを繰り出して、66分に獲得したCKから決勝弾が生まれた。最後は焦る東福岡に対して最後まで冷静に対応し、金星を掴みとった。