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前回の高校選手権のヒーローは今?
神谷優太、小川航基の2016年シーズン。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2017/01/02 07:00

前回の高校選手権のヒーローは今?神谷優太、小川航基の2016年シーズン。<Number Web> photograph by Takahito Ando

神谷(左)も小川も5月のFIFA U-20W杯で活躍し、世界への飛躍を目論む。世界基準の選手になれるかなれないか……大きな岐路に立つ。

「青森での1年間があったからこそ……」

 試合後、悔しさで溢れる涙を隠せなかった神谷。

 だが、その目には新たなる決意が宿されていた。

「(ベスト4で負けた自分は)もうこれから先の姿で恩返しをしていくしか無い。プロで活躍して、日の丸を背負って……。やらなければいけないことが沢山ある。青森での1年間があったからこそ、今があると言えるように頑張りたい」

 その決意は本物だった。

 湘南ベルマーレに入団した神谷は、3月20日のJ1ファーストステージ第4節・浦和戦の後半37分から出場し、早速プロデビューを果たした。4月6日のナビスコカップ(途中でYBCルヴァンカップに改名)大宮アルディージャ戦では、プロ初スタメンフル出場を果たすと、それ以降もコンスタントに試合に出場。セットプレーのキッカーを務めるなど、1年目から大きな存在感を放った。

 もちろん苦い経験も味わった。5月29日のJ1ファーストステージ第14節・名古屋グランパス戦。リーグ初スタメン出場したものの、1-0でリードした局面で、自陣での不用意なボールキープからボールを奪われ、そのまま失点を喫した。

 このプレーで完全に平常心を失った神谷は、後半途中での交代を余儀なくされる。

 結局、湘南はこの後に勝ち越しゴールを挙げて勝利するのだが、試合終了の瞬間、神谷は人目をはばからず号泣していた。

ついに……4年ぶりに代表選出されるまでの活躍を。

「18歳になったばかりとか、いろんな見方があるけど、今持っている力を全部出せない選手は使わない。年齢ではなく、いかにピッチで自分を出せるか。実際に10代の選手も、30代の選手でも同じピッチに立ったら言い訳無用」とチョウ・キジェ監督は語っている。

 そのチョウ監督の下で逞しく鍛えられたことで、神谷はU-19日本代表にまで選ばれるようになった。この年代別代表選出は、彼にとって実に4年ぶりのことだった。

「ずっとこの時を待っていた。代表に選ばれなくなってから、『何とかしないといけない』という想いを持ち続けて来たし、ようやく選ばれたからこそ、今度はステップアップして行くようにしないといけない」

【次ページ】 精神的に一回りも二回りも大きくなっていた神谷。

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