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レアル、奇跡の逆転は可能なのか?
攻守に鍵を握るディマリアの存在。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byBongarts/Getty Images
posted2013/04/30 11:35
「CLの決勝へ進出できなければ私の失敗ということだ」とコメントしているモウリーニョ。噂される来季の去就も含めて、この一戦でモウリーニョの人生が大きく左右されることは間違いない。
攻守にわたって鍵となるディマリアを、どう使うか?
攻撃面が取り上げられることの多いディマリアだが、バルサとのクラシコのような大一番では相手ウイングを追いかけ、ウイングバックのような役割を担っている。
右サイドのディマリアが同サイドのロイスを追いかける場面は増えるはず。ちなみに第1レグで同ポジションに入ったのは守備に難をみせるエジルだった。この変更はマドリーにとってはプラスになる。
ディマリアは攻撃面でも鍵を握っている。
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週末のアトレティコ・マドリーとのダービーでも好調ぶりを見せ、FKから1点を生み(記録はオウンゴール)、決勝点も決めている。得点以外の場面でも度々チャンスを作り出すなど、現在チーム内で最も好調な選手のひとりだ。左のクリスティアーノ、右のディマリアが仕掛け、トップ下のエジルがそれを上手く操ることができれば、第1レグと同じ展開にはならないだろう。
モウリーニョは「普段とは違うシステムや選手を起用するかもしれない」とも語っており、中盤でのペペ起用やモドリッチとシャビ・アロンソのボランチ起用もあるかもしれない。
ドルトムントはこれまで通りのプレーでサンティアゴ・ベルナベウへ。
一方でドルトムントは特に変更をする必要はない。
第1レグでの挑み方が、完璧なまでに機能したからだ。
クロップ監督は「まだ何も決まっていない」と気を緩めておらず、十八番のプレッシングとスピードあるカウンター攻めを前面に押し出してくるだろう。前がかりになるマドリーの裏を、ロイスやゲッツェが突く形を狙うはずだ。
モウリーニョは度々逆転は可能だと語っているが、4-1という結果を逆転するのは簡単なことではない。鍵は早い時間で1点を取り、スタジアムを含むレアル・マドリー全体が勢いに乗ることだろう。