野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
オープン戦を追っかけたマニアに訊く、
セ・パ12球団「ウチのイチ押し」。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/03/26 10:31
昨シーズンの打率は.247ながら、出塁率で.353を誇っている丸。「今年は打ちにいくこと、振りにいくことを第一に考えたい。その延長で見極めて四球なら」と春季キャンプでコメントしている。
阪神はローテ入りの藤浪と新井兄弟の4番争いに注目。
5位には12球団2位のチーム打率.294と打ちに打ちまくった阪神。最大の要因であった打線がオープン戦序盤から絶好調。ゴールデンルーキー藤浪晋太郎はオープン戦最後の試合で打ちこまれるも開幕ローテに入った。
「ひとまずは活躍次第では暗黒真っ逆さまと思われた新加入の西岡・福留・コンラッドが結果を残してくれてホッとしていますが、イチオシはやっぱり新井良太。全試合で4番に座り、結果を残したことが大きい。昨年は“とりあえずの”だったけど、今季は本物の4番。オフのバラエティ番組でも兄に対して『あなたの出る幕はない!』と言い放ちましたが、まさにその言葉通りの活躍です。そしてやっぱり西岡が素晴らしい! 成績はもちろん、鳥谷がWBCで抜けている期間はチームリーダーとしての側面も見せ、新井貴浩のホームランでは自分のことのように大喜びするなど、昨年まで沈みがちだったベンチのムードを明るくしてくれています。あとは、成長著しい大和と伊藤隼太。投手陣ではルーキー藤浪が新人王間違いなし。中継ぎ以降の窮状からは目を背けます」(阪神好き鉄道ライター・ソイリさん)
大改装されたハマスタが横浜に取り憑いた怨念を祓う!?
昨年のオープン戦ではチーム防御率1点台で3位に躍進したDeNAは、このオープン戦9勝9敗1分の5割で同率6位。新戦力のブランコが5本塁打と期待通りの大爆発。モーガンは打率.152と対応に苦しむも、9死球と日本投手から当てられまくり、別の意味で爆発の予感だが、それ以上に大きな新戦力が、スコアボード全面ビジョン化をはじめ、フィールドシートの設置など大改装がなされた横浜スタジアムか。
リニューアル以来打たれる一方だったホームランが、ブランコ・ラミレスだけでなく本塁打とは縁遠かった荒波翔が3本、高城俊人、梶谷隆幸が2本と、12球団トップの18本塁打を量産。さらに荒波は謎の長打力に加え無類の勝負強さを発揮して打点王まで獲得。この科学では説明のつきようがない珍現象は、かつてベイスターズの選手がチームを追われる際に置いていったとされる強烈な怨念が、このリニューアルでお祓いされた効果ではないかと嘯くOBもいるようだ。
貧打を走塁でカバーした西武は中島の後継者が決定!
同じく6位には日ハム・ヤクルトと埼玉西武が並ぶが、故障の中村剛也、移籍の中島裕之が抜けた西武は、12球団最低のチーム本塁打1本と、12球団最多のチーム盗塁数26というわかりやすい野球を展開。
中島の抜けたショート争いには、昨シーズン打率.037の2年目、永江恭平がオープン戦.375とケタ違いの大躍進で制すると、ルーキー金子侑司も結果を残し、内野からコンバートされライトのポジションを奪取。投手陣では、期待の大石達也が8試合を無失点で抑えに当確すれば、菊池雄星もオープン戦1勝3敗ながらもついに開幕ローテ入りしたが、渡辺監督は「ローテに入っても4月持つかどうか」と辛辣すぎるコメント。