森保ジャパン「ケガ人続出の2025年…じつは新戦力が充実」“積み上げ”を徹底検証「あの選手をシャドーに…」W杯でカギを握る“意外な起用法”とは？ 

　中村と三笘が争う左ウイングバックでは、前田大然もテストされた。爆発的なスピードを持つ彼のサイド起用は、相手のプレスを一発で裏返す手段となり得る。そのスピードは攻撃のオプションとなり得るだけに、起用法のバリエーションを模索するのはW杯へ向けた必要なトライと言える。

本職DFのウイングバック起用も想定済

　現在の3-4-2-1でウイングバックを担ってきた堂安、三笘、中村、伊東らは、本来なら攻撃的なポジションを任される選手だ。それはつまり、自分たちが押し込むことを前提としている。

　だが、ブラジル戦の前半のように、守勢に立たされることもW杯では想定される。守る時間の長い試合が続けば、運動量が問われるウイングバックは疲弊していく。

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　だとすると、DFが本職のウイングバック起用は検討の材料となる。右サイドなら菅原由勢や望月ヘンリー海輝だ。左サイドは三笘と中村以外も攻撃的な選手が多いが、森保監督はガーナ戦で鈴木淳之介をこのポジションに置いた。湘南ベルマーレにボランチの選手としてプロ入りし、3年目の昨年からDFにコンバートされたこの22歳は、対人能力とパスセンスを併せ持つ。左利きではないが、左足を使うことを苦にしない。

ブラジル戦で脚光を浴びた鈴木淳之介。早くも日本代表に定着しつつある　©Kiichi Matsumoto

　伊藤が復帰して鈴木とともに左CBと左ウイングバックをカバーすることになれば──5バックで守りを固める時間帯の備えも、不足はなくなる。

　では、攻守のオプションをさらに充実させるための「サプライズ選出」の候補は誰なのか。後編では、より具体的に本大会メンバーについて考えてみたい。

＜続く＞