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「新監督就任ヤクルトの1位は剛腕サウスポー」「ロッテ3位指名はまさかの“163cm超小兵”」ドラフト全指名予想《ヤクルト・ロッテ・広島編》 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2025/10/21 11:01

「新監督就任ヤクルトの1位は剛腕サウスポー」「ロッテ3位指名はまさかの“163cm超小兵”」ドラフト全指名予想《ヤクルト・ロッテ・広島編》<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

163cmの小兵ながらドラフト候補に挙がる勝田成内野手(近畿大・163cm70kg)

セ最下位のヤクルト…ドラ1は野手か投手か

【東京ヤクルトスワローズ 2025年ひとりドラフト指名選手】

× 立石正広 22歳 内野手 創価大 180cm87kg 右投右打
(DeNA、日本ハム、阪神、広島との抽選に敗れる)
1位 岩城颯空 22歳 投手 中央大 180cm88kg 左投左打
2位 小島大河 22歳 捕手 明治大 179cm83kg 右投左打
3位 江藤蓮 18歳 投手 未来富山高 180cm84kg  左投左打
4位 高谷舟 22歳 投手 北海学園大 179cm83kg  右投右打  
5位 彦坂藍斗 22歳 外野手 帝京大 180cm80kg  右投左打
6位 常谷拓輝 22歳 遊撃手 北海学園大 180cm83kg 右投右打

【東京ヤクルト 総評】

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 今季はセ・リーグ最下位、その前も2年続けて5位だから、「補強ポイントは?」の問いに対する球団関係者の「全部、いない」というつぶやきも、こちらの胸に刺さってくる。

 セ・リーグ制覇の後、3シーズン連続で苦労した高津臣吾監督に代わって、池山隆寛監督が就任。

「すぐには強くならないかもしれないが、明るく愛されるチームに!」の就任談話は、ウソのない等身大の発言で好感が持てた。

 現役当時、俊足・好守・強打と三拍子が高いレベルで揃った遊撃手だった池山新監督だから、いの一番に立石正広(創価大)を選んだのは、痛いほどわかる。引き当てて欲しかったのに、立石選手は阪神が持っていった。

 繰り上げ1位で、剛腕サウスポー・岩城颯空(中央大)もよくわかる。

 田口麗斗、ルーキー・荘司宏太が中継ぎで頑張った今季の左腕投手陣。先発が山野太一(5勝3敗)一人だけなのは心細い。「プロ野球界の無形文化財」石川雅規をいつまでもアテにしている場合じゃない。

 アベレージ140キロ台後半のスピードばかりがクローズアップされる岩城投手だが、それだけじゃ「1位指名」は勝ち取れない。タテに落下するスライダーがいいし、逆の軌道で沈むチェンジアップも使える。この変化球でサッと追い込んで速球勝負。プロのストライクゾーンに対応できるだけの制球力もある。1年目からローテーション入りだ。

ドラ1級が「2人獲れる」…最下位のメリット

 2位指名は先頭だから、「1位」が2人獲れるのと変わらない。

 2位・小島大河(明治大)は「バットマン」だ。インパクトゾーンが長く、引っ張りも逆方向も効く、広角への強打者だ。このバットマンを最も象徴している打球は、もし当たったら投手が死んでしまいそうな痛烈ピッチャー返し。東海大相模高2年までは、主に二塁手。捕手以外を守れる敏捷性も十分だ。

 今夏の甲子園では本領発揮ならなかったが、富山県予選を見て惚れ込んだ球団は多かった。3位・江藤蓮(未来富山高)は、投げっぷり抜群の左腕だ。 1位指名の岩城投手も富山商高出身。ピッチングスタイルに、持ち球までそっくり。甲子園出場の時の角鴻太郎監督は、往年のスワローズのレギュラー三塁手・角富士夫氏のご長男にあたる。

【次ページ】 「光が見える最下位」ロッテの1位は本格派右腕

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