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「投手力で敗れた巨人…快腕を“大量指名”予想」「佐々木麟太郎指名は…“やはり”のオリックスか」ドラフト全指名予想《巨人・オリ・DeNA編》
posted2025/10/21 11:03
スタンフォード大の佐々木麟太郎(184cm113kg)の指名はあるか
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Getty Images
「投手力」に課題が残った今季の巨人
【読売ジャイアンツ 2025年ひとりドラフト指名選手】
1位 中西聖輝 21歳 投手 青山学院大 182cm90kg 右投右打
2位 森陽樹 18歳 投手 大阪桐蔭高 190cm88kg 右投左打
3位 増居翔太 25歳 投手 トヨタ自動車 172cm70kg 左投左打
4位 松川玲央 21歳 内野手 城西大 183cm81kg 右投左打
5位 窪田洋祐 18歳 投手 札幌日大高 185cm88kg 右投右打
6位 木村駿太 22歳 投手 北海学園大 178cm75kg 左投左打
【巨人 総評】
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セ・リーグ連覇を狙った阿部慎之助監督2年目の巨人。昨年は日本シリーズ進出を横浜DeNAに阻まれただけに、その思いはひとしおだったはずが、終わってみれば首位・阪神に15ゲーム差をつけられて、よもやのシリーズ3位。
なんとか、クライマックスシリーズ進出の権利は得たが、横浜DeNAに連敗して今季を終えた。
目前の敵を「阪神」と特定するならば、数値上、攻撃力はほぼ互角だったのに対して、投手力は大きな差がついた今季。
チーム防御率・阪神2.21に対し、巨人は2.95。
失点では、阪神投手陣352、巨人投手陣461。100失点以上の差をつけられた。 巨人のドラフト傾向も、かなり明快だ。
守護神・大勢投手以下、赤星優志など上位4人を投手指名した2021年、浅野翔吾、萩尾匡也の強打の外野手で1、2位を固めた2022年、逆に西舘勇陽、森田駿哉の即戦力期待投手で固めた2023年。そして昨年は、1位石塚裕惺以下3位まで野手指名を続けたからには、今年は「投手」の年だ。
投手は「出来ないことがあっちゃいけない」
「阪神追撃」という絶対的テーマも、そこを必要としている。
12球団の1位指名が終わった瞬間、ホッとため息が漏れる前に、球団関係者のテーブルスペースでざわめきが起こった。
「中西は単独か」
そんなふうに聞こえた。巨人のテーブルに、満面の笑みが並ぶ。1位・中西聖輝(青山学院大)の単独指名は誰もが驚いた。以前、あるスカウトがこんな言いきり方をしていた。
「プロで働くには、出来ないことがあっちゃいけないんですよ、ピッチャーは!」
まさにその通りの「ミスター・オールマイティ」が中西投手だ。
スピード、変化球、制球力、フィールディングにクイックに牽制。さらには、大胆さ、細心さ、勝負根性に心身の強さ。まだまだあるかもしれないが、すべて持っている。唯一気がかりなのは、今秋リーグ戦中に発症した右ヒジ炎症。他球団が手控えた理由も、そこだったのかもしれない。
