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核心にシュートを!BACK NUMBER
楽観的すぎた日本代表ブラジルW杯の屈辱…長友佑都が語った教訓に堂安律「佑都くんの存在は大きい」メキシコ戦キーマンは遠藤航と佐野海舟では
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2025/09/06 17:29
強者のマインドで挑みながら、1勝もできなかったブラジルW杯。長友佑都の経験談は現日本代表・堂安律らの心に響いている
2014年のブラジルW杯の日本代表は楽観的すぎる予想を立て、試合に臨んだ。具体的には、どんなチームが相手でも自分たちがボールを支配できるだろう、と。
しかし、そうした希望的観測は初戦からあっさり覆され、相手に退場者が出たギリシャ戦以外ではボールを保持することすら十分にできず。1勝もできない屈辱を味わい、ブラジルの地を後にすることになった。
だから、選手たちは最高のシナリオ――ボールを90分間にわたり支配した上で相手を叩きのめす――を頭に入れつつ、別のシナリオも考えながら、自分たちが主導権を握るためにはどうしたらいいのかを見すえている。それに、ある程度はボールを支配できたとしても、相手がボールを保持しながら攻撃を繰り出してくる時間帯は90分の中で必ず出てくるのだと森保一監督は強調する。
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「相手にボールを握られることであったり、鋭いカウンターを受けることも多くなると言うことを想定しながら、チームとしては準備できています」
カギを握るのは遠藤+佐野海舟と考えるワケ
では、相手がボールを長く保持しながらも、自分たちが前に出ていく道筋を見つけるためのキーマンは誰か。
遠藤航と佐野海舟のボランチコンビである。
日本代表キャプテンで、リバプールに所属する遠藤の活躍は多くの人がイメージできるだろう。一方で、昨シーズンからマインツに加入した佐野には、守備での活躍を想起する人が多いかもしれない。守備におけるボール奪取が素晴らしかったからこそ、デュエルを大切にするブンデスリーガで、デュエルランキング3位に入ったと勘違いしている人が多いのではないだろうか。
しかし、現実は違う。
ブンデスリーガの選手が投票権を持つキッカー誌のアンケートで、佐野をシーズンのMVPに推す選手が5人もいたのだ。それは彼が守備専門の選手ではなかったから。そして、彼の持つ強みの本質こそが、今回の試合で佐野をキーマンに挙げる理由である。では、具体的にはどういうことか――。〈つづく〉

