核心にシュートを!BACK NUMBER
「やはりアーセナルの2人はいいCBだと」冨安健洋が名門退団前、元同僚を称賛+恩師に感謝していた「正しいと思って勉強を」話はそこで終わらず…
posted2025/09/04 17:02
アーセナル時代の冨安健洋は、智将のミケル・アルテタ監督から薫陶を受けた
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Stuart MacFarlane/Getty Images
冨安本人の口から語られたDF論
2024-25シーズンを終えた6月、映画館のスクリーンを貸し切って行なわれた、遠藤航と冨安健洋によるスペシャルセッション。U-NEXT提供のプレミアリーグのオフィシャル映像を巨大スクリーンに映しながらのクロストークは、冨安の頭の中をのぞいているかのような感覚にさせられる話がいくつも出てきた。
遠藤のオウンドメディア会員が参加する「月刊・遠藤航 The REAL PICK UP MATCH」というイベントだった。そのため、会場の大半は遠藤やリバプールに関心を持っている人たちである。
しかし、彼らが冨安の話にも真剣に聞き耳を立てていたのは、彼の口から語られる内容が、19歳にして日本代表に定着し、プレミアリーグで長く戦ってきた者にしか話せないような内容だったからに他ならない。
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では一体、その内容はどのようなものだったのか。第1回につづき、本稿でもいくつか紹介していこう。
多くの日本人サッカーファンにとって、こんなイメージがあるはず。
〈冨安といえば、左のセンターバック〉
冨安は右利きであるが、日本代表が4バックを採用した時に左センターバックにいることがほとんどだ。
これまでにも右と左のセンターバックのどちらかが好みかを問われることが何度かあった。決して多くを語らない冨安だが、微笑を浮かべ、こう話していたことがある。
「選べるなら『左』と言いますけど、右でも左でも、どちらでもという感じですかね」
ファンダイクも右利きで
もっとも冨安の場合は、サイドバックとしてプレーするときにも、左右どちらに置かれても、なんなくこなせる。微妙な差ではあるのだろうが――「選べるのであれば左」、という感覚を抱く理由を、今回ついに明かした。
「左サイドにいるときは、できるかぎり左足でプレーするように意識をしています。そうしていくなかで、ロングホールについてはむしろ左足の方が蹴りやすい感じなんです、感覚的には」
ここで思い出すのは、 酒井高徳の話だ。

