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「博打ではないんです」冨安健洋とリバプールサポ感嘆…遠藤航が明かす“あの極上守備”「サラーさん、もう1点取ってね」出場時間少ない問題も言及
posted2025/09/05 17:01
リバプールでの鮮やかな守備と、日本代表での新たなキャプテンシー。遠藤航の円熟味は32歳にしてさらに増している
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
マンC相手に見せた“監督指示”以外のタスク
遠藤航は戦術の基本や理想を理解しながら、勝つ確率を上げるために、セオリーから外れた、現場での判断をしていける貴重な選手だ。
プレミアリーグで活躍を続けるための頭脳を明かした貴重な機会があった。今年6月、「月刊・遠藤航 The REAL PICK UP MATCH」という自身のオウンドメディアでのイベントが行なわれた。
映画館のスクリーンを借りきり、プレミアリーグのライツホルダーであるU-NEXTの協力を仰いで試合映像を使い、冨安健洋をゲストに招いてのプレー解説中のことだ。
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スロット監督の指示を踏まえながら、そこにアレンジを加えた試合の一つとして遠藤が挙げたのが今年2月に行なわれたマンチェスター・シティ戦だった。
73分にピッチへと送り込まれるとき、相手の2列目中央――マカティやギュンドガン――を一度つかまえたらマンツーマンで、という指示を受けていた。
しかし、それ以外の仕事をすることが重要だった。
たとえば、シティのアタッカーであるドグはリバプールから見た右サイドで一対一の勝負を再三仕掛けきた。そこで右サイドバックを務めていたアーノルドを助けに行った。本来のタスクである、中央2列目の選手のマークをいったん離してまで……。遠藤はこう振り返る。
「俺の判断で2対1を作っていた感じですね。それは残り15分の守備の個人戦術になると思います」
「サラーさん、もう1点取ってね(笑)」
そんな遠藤のレクチャーを受け、司会者や冨安との間で話題に挙がったのが、右ウイングのサラーの仕事について。もしもチーム戦術を機械的に実行するのであれば、サラーが自陣の低いところまでしっかり戻ってくるべきだろう。
もちろん、遠藤は“原則論”を踏まえたうえで、自身のプレーと立ち位置を通じてチームのキングであるサラーに対して、こんな考えを表現していたという。
「サラーさん、戻ってこなくても大丈夫! 前線でステイしていて」
遠藤はその意図を強調する。

