- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
「無視はしないですよ。ただ…」なぜ日本代表MF遠藤航は監督指示、セオリーから外れた好判断を名門リバプールでもできるか〈マンC戦で発動〉
posted2025/09/05 17:00
日本代表MF遠藤航は名門リバプールでクローザーとしての役割を確固たるものにした
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
戦術も大事だけど、球際で激しくいけなかったら…
「ここ、耐えるところだよー!」
森保一監督の声が聞こえてきたのは、2020年11月のメキシコ戦後半のことだった。前半は0-0ながら日本が優位に進めたが、後半にメキシコが戦い方を変えてくると、形勢は逆転。結局、日本は有効な手を打てずに、0-2で敗れた。森保監督の声をマイクがハッキリ拾ったのは、あれがコロナ禍で行なわれた無観客試合だったからだ。試合中の修正力を上げないといけない。森保監督が就任してからずっと課題とされてきたことだ。
アメリカ現地時間の9月6日、およそ5年ぶりにメキシコとの再戦が控えているなかで、キャプテンの遠藤航はどう考えているのだろうか。
ADVERTISEMENT
「戦術も大事だけど、球際とかで(激しく)いけなかったら、話にならないところがあります」
アメリカの地で取材に応じた遠藤はそう前置きをしたうえで、こう続けた。
「臨機応変さは、(カタール)W杯後から準備しているというか、継続して色々なことを試せていると思う。(相手が試合中に戦術を変えてきても)自分たちの戦術的なところで上回れるようにすればいい。自分たちは別に一つのことだけを試合前に準備しているわけではないので。何個かオプションがある中でどれを選ぶかだと思う」
ハーフタイムであれば、修正するための時間もあるし、監督やコーチから指示を受けられる。ただ前半、後半の途中に相手がやり方を変えてきたら、選手が主体的に判断するしかない。
だからこそ、「キャプテンであり、中盤の中央に構える遠藤への期待と役割は大きいのではないか」。そんな質問をぶつけると、落ち着き払った答えが返ってきた。
「そこは自分がコントロールできるようにということは……。もちろん、自分が指揮しないといけないのかなと思いますけど、基本的には、何個かパターンがある中で、チームとしてどう出せるか、連動性などが最初の45分などでは特に大事になると思います」
遠藤の判断が頼りになりそうなのには理由がある。彼は監督からの要求や、戦術の基本を理解したうえで、ときに、セオリーからは少しそれた判断をしてチームを勝利に導くからだ。
監督の指示を無視はしないですよ、ただ…
そんな遠藤が自らの判断について、映像を見ながら丁寧に話していったのが「月刊・遠藤航 The REAL PICK UP MATCH」という自身のオウンドメディアによるイベントでのこと。

