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日米殿堂イチローのメジャー成績が超人的「3089安打…現役最多はフリーマン2374安打、打率.372は21世紀最高」「10年連続ゴールドグラブ」
posted2025/08/03 18:50
メジャー殿堂入りを受けて英語でスピーチしたイチロー
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanukiki
オリックス時代の1994年、驚異的な210安打を打って、日本球界に衝撃を与えてから31年――2001年に海を渡ったイチローが、栄光の殿堂入りを果たした。ここではMLB時代の活躍について客観的な数字を紹介したい。
フリーマンより600安打以上放っているスゴさ
イチローは21世紀初年の2001年、ポスティングシステムでオリックス・ブルーウェーブからシアトル・マリナーズに入団した。この年を起点として、今年までのMLBでの通算安打数10傑は以下の通り。
A.プホルス 3384安
(703本2218点117盗 率.296)
M.カブレラ 3174安
(511本1881点40盗 率.306)
イチロー 3089安
(117本780点509盗 率.311)
A.ベルトレ 2828安
(435本1533点88盗 率.288)
R.カノ 2639安
(335本1306点51盗 率.301)
D.ジーター 2457安
(182本897点250盗 率.305)
J.ロリンズ 2438安
(231本931点467盗 率.264)
C.ベルトラン 2423安
(406本1428点269盗 率.279)
N.マーケイキス 2388安
(189本1046点66盗 率.288)
M.ヤング 2375安
(185本1030点90盗 率.300)
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21世紀も4分の1が過ぎようとしているが、イチローと同じ2001年にメジャーデビューしたアルバート・プホルズ、三冠王ミゲル・カブレラに続く3位にイチローの名がある。27歳でMLBに挑戦してから19シーズン試合数は2653、プホルス(3080試合)、カブレラ(2797試合)よりもかなり少ない。現役ではドジャース大谷翔平の同僚であるフレディ・フリーマンの2374安打が最多。3000本は仰ぎ見るような数字だ。
21世紀になって以降2000本安打をクリアした打者は32人いるが、イチローの通算打率.311はトップだ。またイチローのシングルヒット数2514は、21世紀では断トツ、2位はカブレラの2019安打である。
262安打だけでなく打率.372は21世紀史上最高
2010年ころからMLBはフライボール革命に席巻された。三振しても、凡退しても、スタンドインさえすれば評価が高まるという風潮の中で、イチローは「球聖」タイ・カッブの《50cm先に転がしたヒットと、50m先に飛ばしたヒット。この両方が同じヒット1本として扱われることは、野球のルールの最も素晴らしい部分である》を体現するパフォーマンスでファンを魅了した。
圧巻は2004年、MLBのシーズン安打記録を更新した年だろう。

