酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
日米殿堂イチローのメジャー成績が超人的「3089安打…現役最多はフリーマン2374安打、打率.372は21世紀最高」「10年連続ゴールドグラブ」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanukiki
posted2025/08/03 18:50
メジャー殿堂入りを受けて英語でスピーチしたイチロー
〈MLBシーズン安打数5傑〉
イチロー(マリナーズ)2004年
262安(704打 率.372)
G.シスラー(ブラウンズ)1920年
257安(631打 率.407)
L.オドゥール(フィリーズ)1929年
254安(638打 率.398)
B.テリー(ジャイアンツ)1930年
254安(633打 率.401)
A.シモンズ(アスレチックス)1925年
253安(654打 率.387)
イチロー以外の記録はすべて1930年以前のもの。イチローは古き良きメジャーリーグの野球をたった一人でリバイバルさせていたことになる。なお2004年に記録した打率.372は、21世紀以降では最高打率。2位は2002年ジャイアンツのバリー・ボンズがマークした.370、3位は2009年ツインズのジョー・マウアーの.365だ。
ゴールデングラブ10度、殿堂では夫人が見守る中で
そして外野守備。
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2003年には右翼手としてリーグ最多の12捕殺。レーザービームと呼ばれる驚異的な強肩で何度も走者を刺した。広い守備範囲と相まってイチローが守るマリナーズの本拠地、セーフコ・フィールド(当時)の右翼は「エリア51」と呼ばれるようになった。
外野手として10年連続ゴールドグラブ。これはアル・ケーライン、ケン・グリフィJr.と並びアメリカン・リーグ最多だ。
2012年7月、マリナーズはイチローのヤンキース移籍を発表した。記者会見に臨んだ38歳のイチローは「移籍は僕が希望したもの」と語ったが、その頭髪はグレーになっていた。まるで苦労知らずのように大記録を積み上げてきたイチローだが、その頭髪は――MLBでの彼の努力が、いかに超人的だったかを物語っていた。
そしてそれからなおも7年、人々を魅了し続け、2019年3月21日、東京ドームに戻って来たイチローは、アスレチックスとの開幕第2戦で引退を表明した。
あれから6年、弓子夫人らが見守る中で――彼の初めての英語のメッセージを聞いて、イチローは歴史上の偉人たちに肩を並べたことを実感した。
心配なのは大谷の途中降板+三振禍
以下、7月23日から8月2日までの日本人メジャーリーガーの成績も振り返ろう。
〈大谷翔平/ドジャース〉
・投手成績 ※投手成績のカッコ内は(球数-ストライク)
7試0勝0敗0S15回14安1本5球17振 責4率2.40
7月30日レッズ戦 3回5安0本2球4振 責2(51-32)
・打撃成績
109試428打116安38本73点13盗68球135振 率.271 OPS.975
7月23日ツインズ戦 4打1安1本1点0盗 1球2振
7月25日レッドソックス戦 4打1安0本0点0盗 1球2振
7月26日レッドソックス戦 4打1安1本1点0盗 0球3振
7月27日レッドソックス戦 4打2安0本0点0盗 1球1振
7月28日レッズ戦 3打1安0本2点0盗 2球0振
7月29日レッズ戦 5打0安0本0点0盗 0球4振
7月30日レッズ戦 5打0安0本0点0盗 0球1振
8月1日レイズ戦 4打2安0本0点0盗 0球2振
8月2日レイズ戦 4打1安0本0点0盗 0球3振
9試合37打9安2本4点0盗 5球18振 率.243


