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鳥谷敬の“巨人入団”なぜ消えた? 巨人優位がまさか…阪神入りを表明「黒田さん、僕が監督辞めたから取れたんですね」原辰徳が阪神編成部長にポツリ
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岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/08 11:05
2003年オフ、鳥谷敬をめぐる争奪戦は阪神が制した
「(原は)鳥谷を取れるなら(レギュラーの)二岡をショートからサードに回すとも言っていたようだし、巨人に負けると思った。原は後光が差しているというか、長嶋(茂雄)さんと一緒の感じやからね」
ナベツネvs星野仙一…発言が激化
ポジションは、鳥谷にとって死活問題だった。渡辺恒雄オーナーはこう語っていた。
〈オーナーが守備位置まで考えて戦力補強はできない。あとは入ってからの問題。獲るものは全部獲って、競争原理を働かせるということで、いいんじゃないのか〉(03年7月18日付/スポーツ報知)
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1カ月後には、野球協約に抵触する発言で物議を醸す。鳥谷のメジャー志向を考慮し、こう言った。
〈(業務提携する)ヤンキースがある。ある段階で3、4年巨人で実力を試して、もしヤンキースが欲しいというならあげるし、日米平等のトレードならいい〉(03年8月23日付/日刊スポーツ大阪版)
トレード前提の新人獲得は禁止されており、川島広守コミッショナーは〈そういうことはできませんよ〉と否定した。しかし、〈渡辺オーナーが言ったことについては直接聞いていないし、何も言いようがない〉と怖気付いた。この発言に、星野監督が怒りをぶち上げた。
〈直接聞いていない……なんて当たり前やないか!〉〈球界のためにコミッショナーはキチッと仕事をしてくれないと! もう言い訳は飽きた!〉(以上、03年8月24日付/日刊スポーツ大阪版)
巨人優位が変化…なぜ?
黒田はアマチュアNo.1野手の獲得に劣勢を感じていたが、事態は思わぬ方向へ傾く。9月12日夜、鳥谷は早大の野村徹監督に〈阪神に興味を持っている〉と伝えた。一方で、〈まだ詰めたいことがあるので迷っている〉(以上、03年9月14日付/日刊スポーツ)とも語ったという。

