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“人種差別的暴言と酷評”を浴びた鎌田大地が英国人記者にポツリ「死の淵から生還、得意なので」クラブ初タイトルで評価一変…今夏去就は?
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エド・アーロンズEd Aarons / The Guardian
photograph bySebastian Frej/Getty Images
posted2025/06/29 17:00
クリスタル・パレス移籍当初は序列が高まらなかった鎌田大地だが、クラブ史初のタイトルに貢献した
「彼とは、できるかぎりたくさん話すようにしている。試合中はファンの声援やノイズがあって聞こえないことが多いけど、練習中からボールを通じて意思の疎通を図っているんだ」
日本人選手として初めてFAカップ決勝に出場した頃には、本人もチームもシーズンのピークを迎えていた。1871-1872シーズンに始まった世界最古のカップ戦のファイナルで、マンチェスター・シティの中盤――ケビン・デブライネとベルナルド・シウバ――を向こうに回し、鎌田は堂々たるパフォーマンスを披露。エベレチ・エゼの試合唯一の得点の起点にもなり、1-0の勝利とクラブ史上初のメジャータイトルの獲得に貢献した。来季には、こちらもクラブ初のヨーロッパの舞台が待っている。
「優勝と準優勝は、大きく異なります」と試合後に鎌田はポツリと語った。
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「歴史的なことを達成できて、自分のキャリアにとってよかったと思います。まだ実感はないですけど、すごく嬉しい。うちのファンの語り種になるでしょう。自分も本当に誇らしいです。死の淵から生還するのは、自分の得意なことでもあるんで」
イングランドでのデビューシーズンに歴史に名を刻んだ鎌田を採点するなら、10点満点中7.0としたい。
毎夏、移籍市場をにぎわせた鎌田だが今夏は?
そんな鎌田はここ数年、移籍の噂で日本を中心にメディアを騒がせてきたという。ただ今夏に関しては、ドイツ時代から深い縁のあるグラスナー監督の去就が大きなファクターだろう。
〈つづく〉
