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酷評一転「レッズサポの礼儀を称えよ」イタリア人がクラブW杯の浦和に“熱い手のひら返し”「インテル0-5だな」「ワタナベ、お前がバロンドール」
posted2025/06/23 17:01

クラブW杯、インテルvs浦和戦翌日のイタリア各紙。国内ではレッズイレブンとサポーターを称える論調が多かったという
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弓削高志Takashi Yuge
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Takashi Yuge
浦和レッズはシアトルの地に散った。
北米で開催中のFIFAクラブワールドカップのグループフェーズ2戦目で、イタリアの名門インテルに挑んだレッズは、11分にMF渡邊凌磨のゴールによって先制したものの終盤78分にCKから同点とされ、終了間際の92分に逆転ゴールを許し惜しくも金星を逃がした。浦和はグループフェーズでの敗退が決まった。ただ、この一戦を目にしたイタリア人に「ウラワ・レッズ」は――大挙したサポーターを含めて痛烈な印象を残したようだ。
下馬評は“酷評”ですらなかった
CL王者パリSGがボタフォゴ(ブラジル)に0-1で敗れ、チェルシーもフラメンゴ(同)に1-3で完敗するなど、従来絶対優位とされてきた欧州勢が南米勢の逆襲を受けている今大会だが、アジア勢へ向けられる評価にはなお厳しいものがある。
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主要ブックメーカーによる戦前の下馬評は「主力の多くを怪我で欠くとはいえCLで準優勝したインテルの攻撃力は確実にレッズより上」。インテルの白星に1.33~1.36倍という鉄板倍率がついたのに対し、浦和の勝ちには8~9倍もの高倍率がついた。「レッズの無得点」に賭けても1.65倍にしかならず、浦和のゴールはまったく期待されていなかった。予想だにすらされなかったといっていい。
だから、開始11分に相手のボールロストからMF金子拓郎がドリブルで敵陣を崩し、渡邊が奪った先制ゴールがインテルの母国イタリアに与えたインパクトは大きかった。
「選手とサポの礼儀と厳格さ。称えねば」
そして、虎の子の1点を守るために体力と精神を削りながら防御に徹したレッズの健闘ぶりも試合直後から称賛された。感嘆の声を挙げたのは、中継番組のゲスト解説者であるインテルOBエルナネスだ。
「浦和は正しいタイミングと方法でブロックを作り、プレスをかけてインテルを苦しめた。最終ラインに人数をかけるべきときには全員が下がり、覚悟を決めて全員で守った。彼らのプレーは本当に素晴らしかった」
ラツィオやユベントスでも活躍した名MFは、このようにも述べている。