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「カマダ獲得、当初疑っていたが」ファン手のひら返し…鎌田大地を支えた“恩師の絶大信頼”「パレスは2人との契約延長希望」英国人記者ズバリ
posted2025/06/29 17:01

日本代表でも不動の存在である鎌田大地。クリスタル・パレス残留が基本路線か
text by

エド・アーロンズEd Aarons / The Guardian
photograph by
Kiichi Matsumoto
智将が「私はダイチを信頼している」と語る理由
「(ラツィオで)あまり出番がなかった頃も、彼(オリバー・グラスナー監督)はしょっちゅうメッセージを送ってくれました」
鎌田大地は昨夏にラツィオからクリスタル・パレスへ移籍した理由のひとつに、恩師の存在を挙げた。
「言葉を交わすなかで、グラスナー監督から信頼されていると感じました。自分は普段、監督と頻繁にコミュニケーションを取る方ではないけど、(アイントラハト・)フランクフルトで指導を受けてから、彼の求めていることをピッチ上で表現してきたと思う。彼は偉大な監督であり、人間としても尊敬できる方です」
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現在50歳のオーストリア人指揮官と28歳の日本代表MFは、足掛け3シーズンでふたつのメジャータイトル――フランクフルトでヨーロッパリーグ、クリスタル・パレスでFAカップ――を手にしている。2021年初夏にグラスナー監督がフランクフルトの指揮官に就任すると、鎌田は当初、先発の機会を与えられないこともあった。また2022年2月のブンデスリーガのケルン戦では、鎌田が誤って相手の決勝点をアシストしてしまい、グラスナー監督は後半開始に投入した彼を終盤にベンチに下げている。
だがヨーロッパリーグでは好調を維持し、鎌田は決勝までに5得点1アシストを記録。レンジャーズとのファイナルでは、PK戦で3人目のキッカーとして成功し、優勝に貢献している。
「これほどまでに高いインテリジェンスを持つ選手に出会うことは、なかなかない」
グラスナー監督は鎌田の印象をこうも語った。
「ダイチの危機察知力や予測力は、稀に見るものだ。特に危ないスペースを消すセンスは抜群だ。また敵陣に生まれるスペースの使い方に関しても、私は彼を信頼している」
入団時、グラスナーが鎌田に伝えた「歴史を作りたい」
鎌田と共にグラスナー監督の指導を受けた長谷部誠が「研究熱心でポジティブ」と評す指揮官は、これまでに鎌田を含め、多くの選手の才能を十全に引き出している。例えば2024年夏に鎌田と同時期にパレスに加入したマクサンス・ラクロワは、ヴォルフスブルク時代にグラスナー監督の薫陶を受け、彼との綿密なコミュニケーションによって成長できたと明かしている。彼の指導の肝は、選手との個人的な関係の構築にあるようだ。
「監督は僕にこう言いました」
鎌田はパレスに入団した際に言った。