東京六大学野球“9年ぶり”ノーヒットノーランはなぜできた？ 偉業達成の早大エース…ベテラン記者が見た快挙のワケは「高校時代の2倍」の太モモ？

　東京六大学野球で9年ぶりにノーヒットノーランを達成した早大の伊藤樹投手。

　秋田は大曲のあたりで生まれ育ち、中学軟式では仙台育英高系列の秀光中学のエースとして、全国大会でも活躍した。

　期待されて進んだ仙台育英高だから、1年夏の甲子園大会からマウンドに上がり、3年生のセンバツと独自大会にも出場した。

ADVERTISEMENT

　仙台育英高当時から全国有数の好投手に推されていた理由は、その「実戦力」だ。

高校時代は仙台育英のエースとして活躍　©Sankei Shimbun

すべての写真を見る（20枚）

緩急とコントロール…伊藤メソッド

　高校時代からすでに、ストレートの最速は149キロに達していたが、決してスピードだけで打者を圧倒するタイプじゃない。持ち球の緩急とコントロールを駆使しながら、打者の打ち損じを誘って凡打の山を築いていくスタイル。それが「伊藤樹メソッド」であることは、早稲田大に入学した直後の春のリーグ戦から登板し始めて、4年生の今に至るまでも、大きく変わることはない。

　エース格で投げ始めた2年秋から昨秋までの3シーズンで13勝2敗、防御率も1点台を続け、この春は、負けなしの5勝（5月20日現在）だ。

「確かに疲れていますね。リーグ戦から全国（全日本大学選手権）、日米（学生野球大会）。体を休める期間がないので」

【次ページ】　実戦マウンドで見せる伊藤の「安定感」