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「ウルフって昔、柔道やっていたよね」と言われるまで。新米レスラー・ウルフアロンとトライトンが切り拓く、道なき道
posted2026/03/19 17:00
text by

福田剛Tsuyoshi Fukuda
photograph by
Shiro Miyake
今年1月4日、プロレスラーとして念願のデビューを果たしたウルフアロン。身長181cm、体重115kgの巨体には、全長5.3mとビッグサイズの〈三菱自動車〉トライトンがよく似合う。
「この頼もしいサイズ感がちょうどいいですね。体が大きいので、トライトンのような迫力ある車体の方がゆったりと自分の体の一部のようにフィットして乗れる。すごく安定感があって運転しやすかったです」
タフなのに乗りやすい。ウルフが驚いたトライトンの街乗り性能
昨年の6月に新日本プロレスの練習生となってからは、自宅から道場へクルマで通う日々が続く。アスリートとしてクルマを選ぶときにこだわるのは乗り心地の良さだ。
「自分が乗っていて窮屈な感じにならないように、大きさ、サイズは結構重視します。ただ、大きければいいのではなく、運転しやすさも大事です。練習の後とか遠征帰りは疲れているので、なるべく体に負担をかけたくない。シートの座り心地や室内の広さも大事なポイントです」
本格的なピックアップトラックでありながら、居住性にもこだわったトライトンの室内は一人一人がゆったりとくつろげる広さを確保。シートにはオレンジステッチが施されたレザーを採用。無骨な外観からは想像もつかないほど、その室内は洗練されたSUVのような上質な設えとなっている。
走行性能でも妥協は一切ない。三菱自動車が長年ラリーで培った4WDシステムと路面状態に合わせて設定された7つのドライブモードが、さまざまなシーンで安定した走りを実現させている。雪道やぬかるんだ路面、凹凸のある岩場まで、どんな悪路でも走破する高い性能を持つ。さらに最小回転半径6.2mとクイックなステアリング特性により、このサイズ感の車両としては際立った取り回しの良さを発揮 。都内の狭い道にも対応できる。道なき道を走破する力強さと、街中での扱いやすさを高い次元でトライトンは兼ね備えている。
「さっき転回したとき、このボディサイズとは思えないほど小回りがきいたので驚きました。道場の周りは狭い道が多いんですけど、操作性の高いトライトンなら楽に運転ができそうです。シートもすごく座り心地が良かったです。運転で疲れて練習のときに力が出ないとなると元も子もないじゃないですか。楽に運転ができて、疲れが溜まりにくいクルマはすごくありがたいです」
もちろん毎日乗る“日常の足”だからこそ、見た目にもこだわる。
「僕の場合、周りの人にどう見られるかは関係ない。自分が格好いいと思えるものに乗りたい。ただ、それだけです」
運転席から降り、改めてトライトンのボディを眺める。
「精悍な顔つきとゴツゴツとした無骨なフォルムが格好いい。強そうです(笑)。子どもの頃って、こういうロボットとかメカっぽいものに憧れましたよね。大人になってもこういうデザインはやっぱりいいなって、改めて感じました。トライトン、ありですね」
そう語るウルフの顔には、まるで子どもの頃に戻ったような笑みが広がっていた。
広大なカーゴスペースが支えるオンとオフ
次にウルフが注目したのが、トライトンの代名詞ともいえるカーゴスペースだ。
実は魚を捌くのが趣味というウルフは、魚を買うためにクルマを運転して豊洲市場にまで足を延ばすこともあるのだとか。
「市場に行くときは大きなクーラーボックスを持っていきます。それでも入り切らないときは市場で発泡スチロールをもらって、そこに詰め込んで帰ることもあります。ほとんど業者ですよね(笑)。これだけ広いカーゴスペースがあったら、クーラーボックスを何台も乗せられるので、好きなだけ魚を買えます」
魚を捌くようになったのは、YouTubeの動画がきっかけだった。
「元々、毎日食べたいくらい刺身が好きなんですけど、柔道の試合前は体調を崩さないように数日前から生ものは控えていました。その間は刺身を食べたい欲求を抑えるために、魚を捌く動画を見ています。遠征先であまりに簡単に魚を捌いている動画を見て、これなら自分で捌いた方が安くて新鮮な刺身が食べられると気づいたんです。実際にやってみたら難しくて包丁使いに慣れるまで時間がかかりましたが、今ではかなり上達しました。プロレスを始める前は東海大学の湘南キャンパスでトレーニングをしていたので、よく小田原の漁港にも行きました。そこで仲良くなった魚屋さんの厨房を借りて、魚を捌いたりして……。トライトンでドライブがてら、小田原まで魚を買いに行くのも楽しそうです」
広いカーゴスペースが役立つのは趣味だけに限らない。本業のプロレスでも遠征の荷物を運ぶ際に重宝しそうだ。
「プロレスはとにかく遠征が多いんです。僕の場合、柔道は年に4回くらい大きな大会に出場するだけだったのが、プロレスは年間100試合以上、それもほとんどが地方。数日間遠征に出るとなると、でっかいスーツケース2個に荷物をパンパンに詰めていくことになります。とにかく場所をとるので、ある程度大きさのあるクルマじゃないと厳しいんです。その点、トライトンならなんの心配もいらないですね。なんなら遠征の帰りに豊洲に寄って魚を買って帰れるくらい余裕があります(笑)」
23年間の厚みを越える、プロレス人生への覚悟
どれほど過酷な道のりでも、道なき道を切り拓き、走り続けることができるトライトン。その姿は頂点を極めた柔道界からプロレスの世界に飛び込み、ゼロから新しいチャレンジを続けているウルフアロンの姿と重なる。
柔道を引退後、さまざまな選択肢があるなかでプロレスを選んだのは、自分の気持ちにまっすぐに答えたからだ。
「大学生の頃からプロレスを見ていて、すごく面白い、すごく格好いいなと感じていました。その頃はまだ大きな大会で優勝していなかったので、いつか優勝をして柔道でやり残したことがなくなったらプロレスをやりたいと考えていました。2021年の東京で目標としていた金メダリストとなり、パリでは負けてしまいましたがすべてを出し尽くすことができた。だから迷いなくプロレスの世界に進むことを決めました」
練習生としてゼロからのスタート。半年間、ただひたすら練習に打ち込み、1月4日、東京ドームでのデビュー戦を迎えた。
「緊張は柔道の方が感じていたかもしれません。23年間、柔道をやってきて、決勝はその1日にすべてをぶつけなくてはいけない。そこで負けてしまったら、僕としては失敗です。でも、東京ドームは新しく自分が始めたもの、半年間準備してきたものをぶつけるただその1点だったので、4万7000人の観客に見られている緊張はありましたけど、楽しさの方が勝っていました」
ウルフにとって挑戦とは「新しいことを知ることができる機会」と言う。
「外からしか見ていなかったものを今、中でやっているわけで、毎日、毎日知らないことばかりです。でも知らないことが分かってきたりとか、できなかったことができるようになることに僕は喜びを感じるし、それを与えてくれるものが挑戦だと思っています。他の選手を見ているとまだまだ足りないものが多いし、試合をしていく中でも、もっとこうしたいと思えることがたくさんあります。プロレスのことをもっともっと知り、学び、強くなりたいです」
目指すのは最高峰の王座IWGPのチャンピオンベルトだが、ウルフはさらにその先を見据えている。
「今はまだ柔道をやっていたウルフがプロレスをやっているという状態だと思うんです。でも、最終的にはウルフって昔、柔道やっていたよねといわれるくらいまでプロレスに深く入り込んでいきたい。そこが僕の目指す目標です。23年という柔道に打ち込んだ期間の厚みを超える。それくらい密度の濃いプロレス人生を送りたいと思います」
まだ誰も辿りついたことのない頂きを目指して。ウルフアロンは走り続ける。
タフさと上質さが融合した
トライトン GSR
車両は旧型モデルです。一部仕様が異なります●全長×全幅×全高:5360×1930×1815mm ●車両重量:2120kg ●最大積載量:500kg ●エンジン:DOHC直列4気筒インタークーラー付クリーンディーゼルターボ ●トランスミッション:6速 スポーツモードA/T ●駆動方式:4WD ●ボディカラー:グラファイトグレーメタリック、ヤマブキオレンジメタリック、ホワイトダイヤモンド、ジェットブラックマイカ(撮影車両はグラファイトグレーメタリック) ●メーカー希望小売価格:551万8700円(税込み)~





