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東京を駆け抜ける約3万9000名のランナーを先導! 走る歓びと持続可能な未来…ポルシェが「東京マラソン」で伝える電動モビリティの可能性
posted2026/03/27 11:00
レース序盤に抜け出した選手を追走するポルシェの「タイカン」 ©東京マラソン財団
text by

福田剛Tsuyoshi Fukuda
photograph by
Takuya Sugiyama
真っ青に晴れ渡った空の下、今年も東京に春の訪れを告げる東京マラソンが開催された。東京都庁をスタートし、浅草、銀座、東京タワーなどを経由して、フィニッシュの東京駅前・行幸通りまでの42.195kmを約3万9000名のランナーが走る国内最大のレースで、一際目をひいたのが、先導車としてランナーと共にコースを駆け抜けたポルシェだ。
東京マラソンのオフィシャルパートナーでもあるポルシェジャパンは、2024年からランナーをサポート。今年の東京マラソンでは、BEV(フル電動)スポーツカー「タイカン」がスタートの都庁からフィニッシュの東京駅・行幸通りまでランナーを先導、同じくBEVの「マカン・エレクトリック」が計時車としてランナーに正確な刻を知らせる。
ランナーにとって晴れの舞台となるこの日のために、車両には特別なデザインを施した。リアには「Run Fast. Dream Big.」というメッセージを掲げ、限界に挑みながら夢に向かって走り続けるすべてのランナーへのエールを表現。先導車や審判長車などのフロントには書家・アーティストである岡西佑奈氏による筆文字を採用。力強く描かれた躍動感のある書体は、ランナーとともに走り抜ける疾走感を表現した。
また、コース沿いにある「ポルシェスタジオ日本橋」を、スタートから終了までホスピタリティエリアとして特別に開放。東京マラソン仕様の車両を眺める人の姿も見受けられた。
昨年8月に就任したポルシェジャパンのイモー・ブッシュマン社長にとって、東京マラソンを観戦するのはこの日が初めての体験だった。
「最初にスタート地点で応援をして、その後日本橋に移動しましたが、ランナーだけでなく、沿道から声援を送る観客の皆さんの熱意、スピリットをすごく感じることができました。ポルシェジャパンとしてこの素晴らしいスポーツイベントに携われたことを誇りに思っています」
ランナーとポルシェが共鳴する理由
どうしてドイツのプレミアムスポーツカーメーカーであるポルシェが、東京マラソンをサポートするのか。ブッシュマン社長はその意義をこう語る。
「これまでポルシェは長く日本の皆さんに愛されてきました。その恩返しとして、日本の皆さんに何か貢献できることはないかと、かねてから社内で話し合いを続けていました。そこから実現したのが、東京マラソンとのパートナーシップです。スポーツを愛する多くの人々に親しまれており、環境や社会の面を考慮しながら発展するサステナブルなイベントである東京マラソンは、自動車業界の観点からサステナブルな世界の実現を目指す私たちの最適なパートナーだと考えました」
東京マラソンに関わる車両として、排出ガスがゼロで、走行音も静かなBEV「タイカン」と「マカン・エレクトリック」を採用したのも環境に配慮してのことだ。
「ランナーが長時間にわたって最高のパフォーマンスを発揮しなくてはならないマラソンにおいてBEVはまさに最高のクルマと言えます。皆さんご存じのようにポルシェはすぐれたエンジン技術も持っていますが、EV(電気自動車)にも力を注いできました」
あまり広く知られてこなかったが実はポルシェとEVの関わりには、100年を超える長い歴史が刻まれている。
ポルシェ車の生みの親であるフェリー・ポルシェの父親、フェルディナントもまた、カーエンジニアとして活躍していた。そのフェルディナントが発明した最初のクルマが、EVだった。
「当時のエンジニアたちは、電動モビリティが効率的な推進方法であることに気づいていました。ではなぜこのEVの技術が進歩せずにエンジンへと向かったのか。おそらく長い距離を走れるほど、電気を貯める技術がなかったからではないでしょうか」
技術革新が進み、十分な電気を蓄えることができるバッテリーが登場したことで、100年以上前にフェルディナントたちが開発したEVが、ようやく日の目を見る時代が訪れた。すでにBEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)などさまざまなタイプのEVが街中を走り、レースの世界でもEVの技術を取り入れたマシンが当たり前となっている。
EVのドライビングプレジャー
環境への配慮によりEV化が進む一方で、純粋にドライブを楽しむドライビングプレジャーの要素が減ってきているという声もある。この課題にポルシェとして、どう向き合うのだろうか。
「私たちポルシェがやらなければならないのは、EVという新しい分野で、新たなドライビングプレジャーを創っていくこと」とブッシュマン社長はその想いを語る。
「EVになってからエンジンのサウンドが感じられなくなったと悲しむ声を耳にします。しかし、ポルシェのサウンドエンジニアたちはタイカンやマカン・エレクトリックでも、電動エンジンのサウンドを楽しめるように追求しています。とはいっても、そのサウンドはエンジンの音とは違うものです。しかし、それを残念に思うのではなく、EVならではの加速性能、クルマのハンドリング、そして自宅で充電できる利便性といったEVの魅力に焦点を当て、ICEV(エンジン車)では感じられなかった新たな体験をお客様に提供することが私たちの使命だと感じています」
昨年11月に発表されたBEV・SUV「カイエン・エレクトリック」は、最高速度230km/h、0-100km/h加速が2.5秒(カイエン・ターボ・エレクトリック)という圧倒的な加速性能を誇る。また充電の面では、2つの充電ポートを搭載し、自宅でも簡単にアクセスできるだけではなく、急速充電ステーションでは10%から80%への充電時間がわずか16分以内という短さを実現。まさにサステナブルとドライビングプレジャーを両立した一台となっている。
「『カイエン・エレクトリック』の登場により、ラグジュアリーSUVのカテゴリーでICEV、BEV、PHEVのラインナップが揃います。これによってお客さまにより多くの選択肢からクルマを選んでもらうことができます。『カイエン・エレクトリック』の日本上陸は4月以降になると思いますが、ぜひ最新のポルシェを楽しんでいただきたいと思っています」
テクノロジーと情熱が出会う場所で走り続ける
かつてフェルディナント、フェリーの親子が世界を驚かせ、新たなドライビングプレジャーを創り上げてきたように、これからもポルシェは最新のテクノロジーでクルマを運転する全ての人にワクワク感を提供していく。
「『カイエン・エレクトリック』に搭載されている最新のテクノロジーを一度体感いただければ、ポルシェに対してのワクワク、期待感をきっと持っていただけるはずです。すでに愛車としてお持ちのお客様には、常に進化し続けるポルシェを誇りに思っていただけるでしょうし、ポルシェの購入を検討しているお客様には、ぜひ一度『ポルシェスタジオ日本橋』に足を運んでいただき、ポルシェジャパンのファミリーの一員になっていただければ嬉しいです」
ポルシェジャパンは、来年も東京マラソンのサポートを続ける。
「地球環境を考えるとEVの技術がより一層大切になることは間違いありません。最初にデザインしたクルマがEVだったという歴史を持つポルシェは、今後もこの技術を追求していくとともに、サステナブルな大会である東京マラソンとのパートナーシップをさらに発展させていきたいと考えています。今回、レースを間近でみたことで東京マラソンを応援する皆さんの熱意を強く感じました。来年は、ぜひ私もランナーとしてこの素晴らしいスポーツイベントに参加したいです」
最新テクノロジーでサステナブルな世界の実現を目指すポルシェ。そのメッセージは東京マラソンを通して、きっと多くの人に届くことだろう。






