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野球の「次」はどこへ行く? 大学で“引退決断”…清宮幸太郎の弟・福太郎(22歳)が描く未来図「ラグビーW杯に心を揺さぶられて…」
posted2025/12/05 11:02
プロ野球で活躍する清宮幸太郎を兄に持ち、幼少期から将来を嘱望された弟・福太郎だが、大学での競技引退を決めた。果たして今後の未来図は…?
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清水岳志Takeshi Shimizu
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Takeshi Shimizu
今季138試合に出場し、名実ともに「球界の顔」のひとりとなりつつある北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎。その活躍のウラで今季、22歳になった弟・福太郎がひっそりと現役生活の幕を閉じた。リトルリーグでは世界大会にも出場し、兄の背中を追い続けてきた弟は、なぜ大学で野球をやめる決断をしたのか。その理由と、支えてくれた家族への想いを聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の3回目/最初から読む》
東京六大学リーグの試合では、清宮福太郎を応援する家族の姿を神宮球場でたびたび見かけた。
1年生の時はメンバーに入っていなかったが、それでも母はネット裏に来ていた。4年生になると、ベンチと反対側の2階席の端から、双眼鏡などで福太郎の姿を追う両親がいた。そして秋のリーグ戦中盤では、幸太郎も加わった家族3人の姿も偶然、見かけた。
「法政戦ですね。母から、今日は兄も来るよと聞いていました」
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もちろん派手な一喜一憂や、大騒ぎをするわけでもない。凡打であっても頭を抱えたり、苦虫を嚙み潰した表情をするわけでもない。小さな苦笑いをして、おおらかに見守っていた。
福太郎を支えた「清宮家のフォロー」
学生が部活をするうえで、家族のフォローや後方支援は重要な要素だ。母親は食事の用意から洗濯まで、相当な時間を費やしただろう。
早大野球部の場合、1年生は朝の6時からグラウンドに集合し、練習のための準備を始める。これは長らく受け継いできた習わしだ。福太郎は4時半に起床して5時に自宅を出ていたという。
「1年間は自分もたいへんでしたし、母も大変だったと思います。ほんとに感謝しかないですね」

