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MLB開幕S「打球速度1、2位」は大谷翔平でも鈴木誠也でもなく森下翔太と…「巨人・阪神が上回ったデータ」とベッツ&フリーマン欠場は無関係ではない? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/03/24 11:03

MLB開幕S「打球速度1、2位」は大谷翔平でも鈴木誠也でもなく森下翔太と…「巨人・阪神が上回ったデータ」とベッツ&フリーマン欠場は無関係ではない?<Number Web> photograph by AP/AFLO

阪神の森下翔太。大谷翔平と鈴木誠也らを差し置いて今回の6試合で打球速度トップを記録した

181.2km/h  森下翔太/阪神(3.15カブス戦)
179.8km/h  岡本和真/巨人(3.16カブス戦)
179.6km/h  鈴木誠也/CHC(3.15阪神戦)
177.3km/h  キャベッジ/巨人(3.15ドジャース戦)
176.5km/h  ショウ/CHC(3.15阪神戦)
175.4km/h  T・ヘルナンデス/LAD(3.18カブス戦)
173.8km/h  佐藤輝明/阪神(3.16ドジャース戦)
173.5km/h  コンフォート/LAD(3.15巨人戦)
172.8km/h  大谷翔平/LAD(3.18カブス戦)
172.8km/h  小幡竜平/阪神(3.15カブス戦)

 なんと阪神の森下が1位、続いて巨人の岡本。そしてカブスの鈴木誠也と日本人3人がトップ3を占めた。

 MLBではこの数値が打者では最も重要視される。「フライボール革命」以後、打球速度が遅い打者は、本塁打、安打になる確率がぐっと下がるとされるからだ。

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 なお大谷翔平は、172.8km/hで9位。大谷はじめメジャーのトップクラスは、シーズン中は優に190km/h超の打球速度を出す。東京ドームの開幕戦では、まだMLB選手は十分に仕上がっていなかったと言えるのではないか。

大谷の“あのHR”は計測不能だった

 最後に、打者の各打撃結果を受けての飛距離10傑を出そう。

120.1m T・ヘルナンデス/LAD(3.15巨人戦)3回 本塁打
119.8m コンフォート/LAD(3.15巨人戦)3回 本塁打
119.2m 大谷翔平/LAD(3.15巨人戦)3回 本塁打
118.9m E・ヘルナンデス/LAD(3.19カブス戦)4回 本塁打
113.7m 佐藤輝明/阪神(3.16ドジャース戦)4回 本塁打
112.8m タッカー/CHC(3.19ドジャース戦)5回 フライ
110.3m スミス/LAD(3.15巨人戦)6回 フライ
109.8m 大山悠輔/阪神(3.16ドジャース戦)2回 フライ
108.5m アマヤ/CHC(3.18ドジャース戦)2回 二塁打
107m タッカー/CHC(3.19ドジャース戦)9回 二塁打

 テオスカー・ヘルナンデスが巨人戦で左翼に打ったホームランが最長、以下2本のホームランも同じ試合で出たものだ。NPB選手では、佐藤輝がドジャース戦で打った一発が最長となっている。

 なお19日のカブス−ドジャース戦で大谷が中堅方向に打った本塁打は入っていない。試合途中からスタットキャストのシステムが不調となり、大谷とトニー・エドマンの本塁打はデータがない。ただ大谷の当たりは東京ドームの天井に当たっていたように見える。天井が無かったら――最長の一発になっていたのではないか。

ベッツとフリーマン欠場と無関係ではない?

 各種データから言えることは、NPB選手はかなり早く仕上がっているが、MLB選手、特に打者はまだエンジンが十分に温まっていないということだ。ドジャースはムーキー・ベッツが全試合、フレディ・フリーマンがカブス戦を欠場したのも無関係ではないのかもしれない。一部には「日本で試合をするなら、オールスターブレークの時(7月)にすべきだ」という声も上がっているようだが――傾聴に値するものと思う。

 続いて、東京シリーズの日本人メジャーリーガーのデータに、さらにズームインしよう。〈つづく〉

#2に続く
「東京ドーム天井に当たった説」大谷翔平あのホームランは計測不能…山本由伸と今永昇太の進化、佐々木朗希の別次元とは〈開幕戦詳細データ〉

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