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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
MLB開幕S「打球速度1、2位」は大谷翔平でも鈴木誠也でもなく森下翔太と…「巨人・阪神が上回ったデータ」とベッツ&フリーマン欠場は無関係ではない?
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byAP/AFLO
posted2025/03/24 11:03

阪神の森下翔太。大谷翔平と鈴木誠也らを差し置いて今回の6試合で打球速度トップを記録した
ピアソンはカブスの救援投手、昨年、無安打で降板した今永昇太の後に上がって1回をノーヒット。続く投手と共に継投でのノーヒットノーランを達成した。昨年は60試合に投げたものの2セーブ11ホールド防御率4.48と、それほど優秀な投手ではない。
それに次ぐ球速のダニエル・パレンシアも救援投手だが、決して主戦級ではない。筆者は東京ドームのカブス−巨人戦でパレンシアを見た。カブスで今永に次ぐローテーション投手のジェームソン・タイヨンが5回途中で降板。次に上がったパレンシアは、巨人打線に剛速球を投げ込んでこの回で引っ込んだ。
今季、ドジャースで山本由伸と並ぶエース格と目されるタイラー・グラスノーは、阪神戦ではフォーシームのほかに、ほぼ同じ球速のシンカーも投げていた。山本由伸は初回、先頭打者のハップの5球目に最高速157.9km/hを出した。オリックス時代は、159km/hを記録したことがあるが、今季の仕上がりは上々のようだ。
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NPB投手では、阪神のハビー・ゲラが8位にいる。日本人では、支配下登録されたばかりの阪神・工藤泰成が15日のカブス戦で鈴木誠也相手に156.1km/hの速球を投げた(全体では12位)。
ドジャース打線封じ…才木の回転数もスゴかった
続いてフォーシームの「回転数=RPM」10傑である。
2843回転・152.2km/h
カスパリウス/LAD→ショウ/CHC(3.18)
2702回転・156.7km/h
グラスノー/LAD→佐藤輝明/阪神(3.16)
2689回転・155.9km/h
スコット/LAD→ターナー/CHC(3.18)
2684回転・148.9km/h
今永昇太/CHC→大谷翔平/LAD(3.18)
2624回転・150.5km/h
プレスリー/CHC→パヘズ/LAD(3.19)
2601回転・149km/h
才木浩人/阪神→パヘズ/LAD(3.16)
2579回転・155.1km/h
スネル/LAD→前川右京/阪神(3.16)
2575回転・147.7km/h
ベシア/LAD→鈴木誠也/CHC(3.19)
2566回転・151.9km/h
ナック/LAD→鈴木誠也/CHC(3.19)
2547回転・147.3km/h
スティール/CHC→スミス/LAD(3.19)
一般的に回転数が多い球は、マグナス効果という揚力を生み出し、ボールの下垂を防ぐとされ打者にはボールがホップするように見える。ドジャースのベン・カスパリウスは昨年デビューした新人で、2800回転超という超高回転のフォーシームを投げた。このランキングには、グラスノー、ブレイク・スネルと一線級の投手の名前も見える。
今永が150km/hそこそこの球速で、カブスのエース格として活躍できるのは、回転数が非常に多いからだ。今永は、このシリーズでも2600回転を超す速球を何球も投げている。「再現性が高い」ことも今永の最大の強みだろう。阪神の才木がドジャース戦で好投したことが話題になったが、彼も回転数の多い速球が持ち味だ。
気になるのはドジャース佐々木朗希。今シリーズ最速タイの161.7km/hのフォーシームを投げたが、この球は2126回転にとどまった。
大谷らを上回る打球速度1位は森下、2位は…
続いて打者の打球速度、最高速の10傑。ここでは興味深いデータが浮かび上がってきた。