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「こんなのクソだよ」「ピッチャーはもう打席に立たない」ドジャース・大谷翔平も被害のMLB“報復死球”問題…現代選手たちの「リアルな声」は?
posted2025/06/20 17:03

サンディエゴ・パドレス戦で右ふとももに死球を受け、痛みをこらえるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。実に4試合で8死球の大荒れとなった
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
JIJI PRESS
実に4試合で両軍合わせて8つの死球が飛び交ったドジャースとパドレスの西海岸ライバル対決。大谷翔平も被害にあうなど、一触即発の雰囲気になっていたが、実はアメリカ野球においては「報復死球」は決して珍しいものではない。そのウラにはどんな文化が潜んでいるのか。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
日本時間18日の試合で起こったロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平に対するサンディエゴ・パドレスの「報復死球」疑惑。プレー直後にはドジャースのデーブ・ロバーツ監督が激昂して、審判に詰め寄り退場になる一幕もあった。
ロバーツ監督「激怒のワケ」は?
一方で、日本では誤解されがちだが、ロバーツ監督の怒りは「報復文化」そのものに向けられたものではない。
彼が怒ったのは、あくまで審判の対応が一貫していなかった点にある。ドジャースの死球には警告が出たのに、パドレスには出なかった。その不平等にこそ、ロバーツ監督は憤った。
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アメリカの報道でも、出来事を大きく扱いつつ「報復だった」とは明言していない。『AP通信』は「両軍に死球が相次ぎ、警告が出された」と中立的に報じ、『ESPN』は「ロバーツ監督は意図的だと感じた」と伝えるのみ。『スポーツ・イラストレーテッド』に至っては、「タティスへの死球が先にあった」と背景を並べるだけで、評価は避けた。
SNSではもう少し率直だった。『Pro Football & Sports Network』が紹介した投稿の中には、「Send this pitcher to Saturn(あの投手を土星にでも送れ)」「The pitcher is just pathetic(投手は哀れだ)」といったドジャースファンからの怒りの声も見られた。ただ同時に、掲示板型SNS『Reddit』では「これは野球の一部」とする冷静な意見も並んでいる。