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「日ハム、ロッテもいいが…」今年のドラフト“パ・リーグで最も成功した球団”は? 楽天・宗山塁は「いきなり1、2番起用も」小笠原道大が大胆予想
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/31 12:27
競合の末、楽天が指名権を獲得した宗山塁
小笠原 予想はなかなか難しいですが、1年目の打率は2割7分から8分くらいかなという気がします。ホームラン数は二桁に届くかどうか、くらいのイメージです。なにせ守備がいいですからね。開幕戦からショートで使いたい。監督の考え方次第ですが、いきなり1番、2番で起用することもあるかもしれない。村林一輝もいますが、スタメンは間違いないかな、と。
――2位、3位、4位では大学、独立リーグ、社会人からそれぞれ即戦力になりそうな投手を指名しています。一方で、支配下に高卒の選手は1人もいません。
小笠原 これはもうわかりやすく「投手陣を強化して、少しでも失点(12球団最多)を抑えるんだ」ということですね。将来的なことよりも、いま必要な戦力を取りにいった結果でしょう。
――首脳陣としては、この中からかつての田中将大や則本昂大、松井裕樹のような存在が出てきてほしい、という期待もあるんでしょうか。
小笠原 そうなれば理想的ですけど、そこまで高望みしているわけではないでしょうね。それぞれが持てる力を発揮して、あわよくば飛び抜けた選手が出てきてくれれば、という計算だと思います。
オリックスは投手の補強も急務だったが…
――オリックスは西川史礁選手(青山学院大)のクジを外して、走攻守三拍子揃った外野手の麦谷祐介選手を1位で指名しました。
小笠原 本来なら「ピッチャーを取らなければ」と考えていたと思うんですよ。山本由伸が抜けて、宮城大弥も出遅れて……というシーズンだったので、投手陣の補強は急務。でも、「慣れが出てしまった」という中嶋聡前監督の言葉にあったように、野手陣の競争が足りなかった部分がある。そこで既存の戦力に一石を投じる力を持った選手を指名した、というところでしょうね。うかうかしていられないぞ、と。
――麦谷選手には1年目からチャンスがありそうですか。
小笠原 使われるでしょうね。監督も代わって、新しい戦力を抜擢しやすい環境が整っている。チャンスどころじゃなく、「ぜひポジションを掴んでくれ」というくらいの状況だと思いますよ。麦谷選手にかぎらず、ピッチャーにしてもそうです。
――特に期待したい選手はいますか?
小笠原 3位で指名された山口廉王投手(仙台育英高)。193cmの大型右腕です。山本由伸を筆頭に、宮城大弥、山下舜平大、山崎颯一郎と、オリックスは高卒の投手を育てるのが非常にうまい。1年目、2年目で土台を作って、3年目に経験を積ませて、4年目か5年目には柱にする、と。コーチ陣に盤石のメソッドがあるので、順調に育っていってほしいですね。