小笠原　野手なのか、投手なのかと言われていますが、最初は決めつけずに両方やらせるんじゃないですか。本人が「どちらもやりたい」と言っているのなら、その意思を尊重する球団ですから。まずは二軍でしっかりと体作りをしながら、適性を見極めて、成功の確率を上げていく。日本ハムにとっても本人にとっても、やりがいのあるチャレンジになると思います。

栗山英樹CBOから指名あいさつを受ける柴田獅子（福岡大大濠高）　©JIJI PRESS

――2位の藤田琉生投手（東海大相模高）は198cmの長身投手。最速150kmで高校日本代表にも選ばれています。

小笠原　この選手は面白いですね。この先、なにかアクシデントがないかぎりは必ず頭角を現してくるでしょう。宗山選手は外しましたけど、むしろ日本ハムのカラーが出たというか、ある意味でプラン通りというか。自分たちはポテンシャルのある選手にいくんだ、というビジョンを感じますね。やはり他の11球団とはすこし違った印象を受けます。一方で、支配下で指名した6人中5人がピッチャーというのは、「強化ポイントは投手陣だ」という明確な課題を意識したものでしょうね。

ロッテ1位・西川は「二桁は打つでしょう」

――ロッテはオリックスと競合した西川史礁選手（青山学院大）を引き当てました。大学ナンバーワンのスラッガーとして期待がかかりますが、小笠原さんの評価はいかがでしょうか。

小笠原　1年目から試合に出てほしいですね。球団としても「1年目から一軍でいってくれ」という考えで指名していると思います。ただ、将来的に30本、40本打つような長距離砲かと聞かれると、そうではないような気もしますね。もうすこしバランス型というか……。とはいえ、出場機会さえあれば二桁は打つでしょう。

大学日本代表でプレーする西川史礁（青山学院大）　©JIJI PRESS

――2位の宮崎竜成選手（ヤマハ）も長打力のあるタイプです。

小笠原　やっぱりロッテも打てる選手がほしいんですよ。ソトとポランコがいないと、得点能力がかなり落ちてしまう。次に打っているのは岡大海とキャッチャーの佐藤都志也という打線ですからね。クリーンナップが打てるような選手を、という狙いが伝わってきます。

――では、投手はどうでしょうか？

小笠原　4位で指名された坂井遼投手（関東一高）は甲子園で見ていて「面白いピッチャーだな」と思いました。個人的な好みもあるんですが、投げているときの印象がすごくいいんですよね。もう一回り、二回り成長すれば、先発ローテーションを守る存在になるんじゃないかと期待しています。

小笠原が予想する楽天・宗山塁「1年目のリアルな成績」

――そして今回のドラフトで“最大の目玉”だった宗山塁選手（明治大）の交渉権を獲得した楽天です。1年目からレギュラーとして起用されると見込まれていますが、率直にどれくらいの数字を残しそうですか？

【次ページ】　小笠原が予想する楽天・宗山塁「1年目のリアルな成績」