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「まさか」か「やはり」か…なぜ慶大・清原正吾をドラフトで指名しなかった? 父が所属した3球団のトップを会場で直撃!「それはちょっと…」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/10/25 17:01
中継番組でも長尺を割いて紹介ビデオが流れたが、最後まで清原の名前が呼ばれることはなかった
「少し活躍すると、スカウトが記者にコメントを求められますよね。相手はアマチュア選手ですし、マイナスの言葉をいうスカウトなんていませんよ。お世辞とは言わないまでも、“素材がいい”とか“あの打席のこういうところが素晴らしい”とか、良いところを見つけて言うでしょう。本音ではドラフト候補として評価していなくても、そうとは言えない。そのコメントが『高評価』とか『熱視線』という報道になって一人歩きしてしまうところはあると思います」
周囲の期待だけが膨れ上がる不幸
清原に限らず、注目選手は周囲の期待が報道によって雪だるま式に膨れ上がる。いざドラフト本番となると指名がかからなかったり、順位が低かったりして梯子を外されるような格好になってしまうのだ。
巨人・水野スカウト部長は、指名漏れした正吾の心中も慮りながらこんな言葉を残している。
「指名がかからなかったのは彼だけじゃない。もっと注目されていた山田(健太)選手(大阪桐蔭―立大―日本生命)だって指名されなかった。社会人などでもっと力をつけて、また頑張ればいい」
野球を続けるにしろ、他の道に進むにしろ、この日の悔しさをどんな思い出に変えるかは、踏みだすその一歩にかかっている。