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「DeNA1位は地元の“超大型”高校生左腕」「日ハム7位の隠し玉”プロ野球か漁師か”の超変わり種」ドラフト全指名予想《ロッテ・DeNA・日ハム編》 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/10/23 11:22

「DeNA1位は地元の“超大型”高校生左腕」「日ハム7位の隠し玉”プロ野球か漁師か”の超変わり種」ドラフト全指名予想《ロッテ・DeNA・日ハム編》<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

DeNAの1位指名予想は地元・神奈川の藤田琉生(東海大相模高・198cm93kg)

 今季、大健闘の加藤貴之、山崎福也の両左腕に、もう一枚、先発陣に左腕が欲しい。佐藤柳之介(富士大・ヤクルト1位)なら文句なかったが、2巡目が9番目では高望みというもの。今春から夏の都市対抗にかけて、コンスタントに実力を発揮した吉田聖弥(投手・西濃運輸)が指名できたから、上々だ。

 この1年間で劇的に成長、クロスファイアーにいいスライダーとチェンジアップを持っている。放射線状の球筋に、いつでもストライクのとれる変化球を2種持っている左腕なら、80%の確率でプロで通用する。私の「絶対的経験則」の一つだ。

 3位・田代涼太(投手・創価大)を指名したのは、「加藤貴之」というこれ以上ないお手本があるから。加藤投手のピッチングスタイルをそのままに、体をふた回りほど大きくしたのが「左腕・田代涼太」だ。

 誰にも負けない雄大な体躯を持ちながら、決して強く投げようとし過ぎず、丁寧に、丹念に、打者のタイミングを外しながら、根気よく低めを突いていく。「最速150キロ」も打ちにくいが、この世界で長く働けて、頼りにされる左腕というのは、意外とこういうタイプなのかもしれない。

 天才的な野球センスを持ちながら、故障がちなのがなんとも惜しい浅間大基外野手。そのプレースタイルが、4位・麦谷祐介(外野手・富士大)に重なる。スピード、瞬発力は一級品。あとは、自身でどれぐらいコントロールできるか。一見、俊足・好打の1、2番タイプに見えるが、無死走者なしのような本塁打を狙っても良い場面での、強引なまでの渾身のフルスイングの爆発力など見ていると、意外とその本質は、「ホームランバッター」なのかも……と、可能性の広がりを感じる選手だ。

「プロ野球か、漁師か」まさかの7位指名は…

 今年の「道産子枠」は左・右の剛腕になった。

 今春以降、アベレージ140キロ台前半の速球にスライダーを武器に、強豪・北照高との練習試合で1試合20奪三振、今夏予選では18イニングで34奪三振と「十勝のドクターK」に台頭した5位・澁谷純希(投手・帯広農業高)。ちょっと珍しいスリークォーターからの腕の振り。この球道がまた、とても見にくい。

「プロ野球か、漁師か?」

 その二者択一で話題になった7位・池田悠真(投手・紋別高)。この投手が、札幌あたりの高校でメディアに注目されながら奮投していれば、実戦力も評価ももっと上がっていた。骨太で骨格の大きな屈強な体躯からの剛速球に、複数の変化球を投げ分ける器用さも兼備して、自信を持ってプロへ進んでほしい。

 そして、6位・田中陽翔(遊撃手・健大高崎高)

 この春から夏にかけて、ぐっと野球が上手くなった。無駄な力みが抜けて、代わりに柔軟でリズミカルなメカニズムを発揮するようになったフィールディングに、タイムリーが欲しい場面では塁間を抜き、長打で流れを変えたい場面ではドカンと外野の頭上を突破。ケースバイケースのバッティングを夏の甲子園の大舞台でも体現して、昨年あたりとは別人の「実戦力」を備えてきた。

<阪神・ソフトバンク・巨人編へ続く>

#4に続く
「阪神1位は“3年後の藤川球児”」「甲子園を沸かせた巨人3位は“順位縛り”がネック?」ドラフト全指名予想《阪神・ソフトバンク・巨人編》

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