酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
長嶋茂雄22歳は「新人で三冠王+トリプルスリー」まであと一歩だった…キャリア17年通しても「プロ野球史上最強のサード」と断言できるワケ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byTomohiko Hayashi
posted2024/10/14 11:29
昭和のスーパースター長嶋茂雄。記憶に残る男の凄まじい記録の数々とは
長嶋茂雄が10年のキャリアを終えた1967年時点での、NPB通算打率5傑。所属があるのは当時、現役。
.318/長嶋茂雄 4764打1518安(巨人)
.313/川上哲治 7500打2351安
.312/張本勲 4049打1264安(東映)
.311/与那嶺要 4298打1337安
.306/中西太 4085打1252安(西鉄)
この時点で、長嶋は全打者中の「首位打者」の座にあったのだ。本塁打は野村克也が385本、打点は山内一弘が1152点を記録、255本塁打868打点の長嶋はすでに及ばなかったが――ある時期までの長嶋茂雄は人気だけでなく、記録面でも仰ぎ見るような存在だったのだ。
そのことを改めて強調しておくとともに、記録男・長嶋茂雄について、改めて讃えたい。
記録男が“記憶に残る男”になった理由は…
しかし野球史上まれにみる「記録男」のはずの長嶋茂雄が、なぜ「記憶に残る男」と言われるように変貌していったのか。
それは長嶋の世代に、ライバルがたくさん出現したからだ。<つづく>