金本知憲（東北福祉大）2539安打
長嶋茂雄（立教大）2471安打
山本浩二（法政大）2339安打
新井貴浩（駒沢大）2203安打
稲葉篤紀（法政大）2167安打
宮本慎也（同志社大－プリンスホテル）2133安打
阿部慎之助（中央大）2132安打
鳥谷敬（早稲田大）2099安打
古田敦也（立命館大－トヨタ自動車）2097安打
谷沢健一（早稲田大）2062安打
有藤通世（近畿大）2057安打
和田一浩/2050安打/東北福祉大－神戸製鋼
大島洋平/2044安打/駒沢大－日本生命
小久保裕紀（青山学院大）2041安打
新井宏昌（法政大）2038安打
野村謙二郎（駒沢大）2020安打

　長嶋は阪神の金本知憲に抜かれるまで40年以上も「大学出最多安打」の記録を保持していた。

　長嶋が大学を出て、ここまでの活躍をしたから、以後の大学出の選手も2000本安打を目指してプロ入りした。長嶋が「新しいキャリアを形成した」と評しても良いと思う。

17年間すべて規定打席・100安打以上2ケタ本塁打

〈新人から引退まで全シーズン規定打席以上〉
　長嶋茂雄のキャリアスタッツ（シーズン記録を集計した一覧表）は美しい。1年目の1958年から最終の1974年まで、17年間すべて規定打席に到達し、100安打以上を打ち、二ケタ本塁打。かっちりとまっ四角だ。まさにエリートの象徴だが、こういう表はめったにお目にかかれない。

©BUNGEISHUNJU

　王貞治は新人の1959年だけ規定打席未達で以後、1980年まで21年連続規定打席到達。張本勲は新人の1959年から78年まで20年連続で規定打席に到達したが、キャリア晩年の1979年から81年までは未達だった。有藤通世も、新人の1969年から84年まで到達するも、85、86年と未達だった。

　ただ一人、長嶋茂雄を上回るのはミスター赤ヘル、山本浩二（浩司）。法政大からデビューした1969年から最終の1986年まで18年連続で規定打席に到達し、2ケタ本塁打を記録した。

　こうしてみると、長嶋茂雄は初の記録を次々と達成しながら、後輩の野球人に更新されていることがわかる。「先駆者」ならではと言おうか。

タイトルじゃない頃も含めて最多安打10回

〈最多安打10回、ベストナイン17回〉
　最多安打がNPBの打撃タイトルになったのはイチローが210安打を打った1994年からだが、長嶋茂雄は10回もこれを記録している。2位は川上哲治の6回、3位がイチローの5回だから、この記録は今も抜かれていない。

　長嶋はデビューの1958年から引退する1974年まで17年連続で三塁手でベストナインに選ばれている。これは三塁手としては最多。捕手は野村克也が19回、一塁手で王貞治が18回選ばれているのに次ぐ。こうした攻守両面の記録を見ても、長嶋がNPB史上最強の三塁手だったと言ってよいだろう。

　最後に、同時代に生きる野球ファンにとって、長嶋が「屈指の記録男」だったことを示す数字を紹介しよう。

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