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「タクは特別に良かったね!」マドリーが慌てた浅野拓磨の俊足…“久保建英らの古巣”監督とファンが絶賛スペイン初戦をカメラマンは見た
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/08/23 11:02
マジョルカでのデビュー戦でインパクトを残した浅野拓磨。持ち前の俊足でマドリーを慌てさせた
67分のメンバーチェンジ時には浅野は左サイドへポジションをチェンジ。ユーティリティ性も見せている。そして72分、交代でピッチを去る際にはスタンディングオベーションで見送られた。
アウェーながら勝ち越したいマドリーは、63分にモドリッチを投入し攻撃のリズムを変えようと試みた。エムバペ、ビニシウスを筆頭に攻勢を強めたものの、得点を奪うことはできなかった。
また87分まで次の交代策を打てなかったのは、気になる点か。
“久保建英の古巣”抜きで認められた一戦だった
マジョルカは、レアル・マドリー在籍時の久保建英が2度にわたってレンタル加入したチームであり、その頃から日本のスポンサーがついている。
また過去には大久保嘉人や家長昭博が在籍していたこともあり、日本人プレーヤーの受け入れ体制ができているチームではある。
それでもこの日の歓声は、浅野がマドリー相手に見せたプレーへと送られたものだった。
前年度チャンピオンに対しての引き分けに貢献した浅野の献身的な守備意識、それだけでなく攻撃局面での力強さが認められたものだった。
ただやはり浅野の強みは、その類稀なスピードを活かした攻撃である。マドリーやバルサに対してのスーパーなゴールを撮影したくなる。
次節は中堅のオサスナが相手で、本来の実力が計られる大事な試合となりそうだ。
マジョルカのイカのグリルが美味すぎた件
最後にマジョルカでの取材雑記を。
地中海に浮かぶこの島へは、バルセロナ空港から1時間とかからず到着する。
直前には「DANA」と呼ばれる大型寒冷低気圧により、マジョルカ島の属するバレアレス諸島では、3日間で340便以上の欠航が出るほどの嵐の影響が報道されていた。
取材自体が危ぶまれる状況であったが、実際に訪れたマジョルカでは穏やかな晴天が迎えてくれた。
聞くところによると、北部だったり、東に浮かぶメノルカ島の被害が大きかったという(マジョルカの本拠地は島の西部)。やはり現地に来てみないと分からないことがある。
体験しないと分からないことといえば食もだろうか。
現地で紹介されたレストランへ向かった。海に囲まれているだけに海鮮が豊富にメニューに並ぶ。
近海で獲れたイカのグリルは、テーブルで丁寧に切り分けてくれる。
墨袋を目の前で取り出し、カットしたイカをイカ墨、粗塩、新鮮なオリーブオイルをまぶしミックス。再度オーブンにかけたものを提供してくれた。
また荒々しい石灰岩に囲まれた小さな入江の海は、エメラルドグリーン色。透き通る水の中では、悠々泳ぐ魚の群れを覗き込むことができた。