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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
最年少19歳で守備の要に…パリ五輪代表CB・高井幸大はメンタルも規格外?「5失点のあと…めっちゃ寝ました」“面倒くさがりな努力家”の素顔
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/24 11:05
インタビュー中にニヤリと微笑む高井幸大(19歳)。パリ五輪では守備の要としての活躍が期待される
面倒ではあるものの、マイペースで続けられるところは性に合うという。スタートダッシュで張り切り過ぎて、その後に失速する語学学習の“挫折あるある”とは無縁のようだ。
「週1の時もあるし、2日連続、3日連続でやることもあります。でも『今日は面倒くさいな』と思ったらやめることもあるので、わりと適当です(笑)。英語を喋れるとハイスペックだし、かっこいいですよね」
口にはしなかったが、サッカー選手としての将来を見据えた取り組みなのだろう。面倒くさがり屋でも、なりたい自分になるためにやるべきことを継続できる強さがある。そこに高井幸大の本質があるようにも感じる。
メンバー最年少も“主軸の自覚”「自分が体を張る」
座右の銘は、「雨垂れ石を穿つ」。
雨垂れのような小さな水滴でも、長い時間をかけて落ち続けると、岩にも穴を開ける。小さなことでも根気強くやり続けることで、大きなことを成し遂げることができるという意味だ。中学時代にYouTubeを見ていたら出てきた言葉で、それ以来、「聞かれたときにパッと答えられたらカッコいいから」とお気に入りにしているという。
やはり地道に積み上げる作業が好きなタイプなのでは? だが、本人は笑って否定する。
「コツコツやるのは好きではないです(笑)。好きではないですけど、頑張ってやっている感じですね。いや、頑張っているのかどうかもわからないですけど、やるしかないので」
ほんとに好きじゃないんですよ、となぜか強めに念を押された。
面倒くさがりの19歳は、この夏、世界が注目する舞台に挑む。先のEURO2024では、優勝したスペインの17歳、ラミン・ヤマルが脚光を浴びた。パリ五輪代表メンバーで最年少の高井は「あれはバケモンっす。ありえないっす」と驚嘆しながらも、自身も含めて「年齢は関係ない」と口にする。
「ディフェンスの大前提は失点をしないこと。最終的にやらせなければいいと思うので、良い攻撃に繋げることもそうですけど、それ以上に自分が体を張ることが大事だと思っています」
チームとしても個人としても、掲げているのは優勝だ。サッカーでは失点しなければ試合に負けることはない。世界の猛者たちが襲ってくるゴール前で、高井幸大は“面倒くさいディフェンダー”であり続ける。
<前編から続く>