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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
最年少19歳で守備の要に…パリ五輪代表CB・高井幸大はメンタルも規格外?「5失点のあと…めっちゃ寝ました」“面倒くさがりな努力家”の素顔
posted2024/07/24 11:05
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Shigeki Yamamoto
数的不利にも動揺せず「慣れじゃないですか」
「特に意識したことはないですけど、いつも通りやってましたね」
今年4月、パリ五輪の出場権が懸かったU23アジアカップ。そのグループステージ初戦となった中国戦でのことだ。開始わずか17分、センターバックを組んでいた西尾隆矢がVARの介入によってレッドカードを提示され、日本代表は10人で戦うことになってしまった。
練習試合や親善試合ではない。五輪本番の出場権がかかった予選の舞台だ。その初戦の立ち上がりに起きた、まさかのアクシデントだった。
だが、ピッチにいたもう1人のセンターバックの高井幸大は、なんら動じることなく平然とプレーし続けていた。引き分けも許されない状況だったにもかかわらず、背負っているものへの重圧も、起きてしまったことへの動揺もないようだった。
試合には辛勝し、そのまま順調に勝ち進んだ。チームは準決勝でイラクに勝利してパリ五輪への出場権を獲得。決勝ではウズベキスタン代表にも競り勝ち、4大会ぶりとなる優勝も成し遂げている。チーム最年少だった高井はこの大会で主力に定着し、守備の要として大きく貢献した。今月3日には、パリ五輪の本大会メンバー18人にも選出されている。
なかなか本心が掴めない19歳に、あのときの「不動心」についての疑問をぶつけてみた。
――10人の状況でも普段通りにやるための秘訣はあるんでしょうか。
「ないですよ。慣れじゃないですかね」
あっさりとそう言われた。
シーズン序盤、所属している川崎フロンターレでは、味方が退場となり10人で戦うことも珍しくなかったのは事実だ。とはいえ、それは慣れるものなのだろうか。他にも要因があるのではないかと、彼自身のことを探ってみることにした。