野球のぼせもんBACK NUMBER
ホームラン消えたプロ野球で“ただ1人”別次元…ソフトバンク近藤健介に番記者直撃「なぜ打てる?」仲良し後輩・大谷翔平“2人とも三冠王”の現実味
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/11 06:00
「打者が打てない」といわれる今年のプロ野球で、ひとり異次元の成績を挙げている近藤健介
「いや、僕もパフォーマンスは落ちると思ってましたけどね」
超一流選手を常識や一般論などという思い込みに当てはめることがいかに無意味なことか、まざまざと思い知らされた。
指の状態はかなり回復したようで7月4日の西武戦(みずほPayPayドーム)で左翼守備に復帰している。シーズンは折返しを過ぎ、ここからは体力を削られる暑さとも戦いながら日々を乗り越えていかなければならない。
「こりゃ強いわ…」ソフトバンクの練習風景
ただ、近藤は夏場に強い。2020年以降は昨季まで7月、8月の月間打率が3割を下回ったことは一度もない。特に昨季は7月に打率.343、8月には打率.365を記録して本塁打は月別最多となる7本を量産した。シーズンが進んでいけば、個人タイトルの話題はさらに増えていくだろう。
「(三冠王は)よく言われるけど『勝手に思ってください』って。自分は意識してない。周りが言う分には好きにどうぞっていう感じですね(笑)。自分は試合を決める一打を常に打ちたい。いいところで1日1本。その集中力を持ちながらやっていきたいです」
シーズン100勝にも届こうかとの勢いで勝ちまくるソフトバンクで、近藤の存在が欠かせないのは言うまでもない。ところで本拠地のみずほPayPayドームでの試合日、近藤は決まって選手ロッカー奥に設けられている練習スペースで試合後に居残り特打を行っている。近藤のパートナーは、現在3番を打つ栗原陵矢だ。そして、そこには山川穂高や今宮健太、周東佑京の姿もある。彼らは打撃談義を交わしながらいつもバットを振っているのだという。それがこのチームの日常だ。ソフトバンク強し、なワケである。