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「アメリカで通用する投手の条件は…」元巨人V9戦士・高田繁が語るMLBとの出会い「レベルが全然違う。大谷翔平なんて考えられない」
posted2024/07/10 06:01
高田繁氏が「モノが違った」というストレートを投げた尾崎行雄（左）。カージナルスのボブ・ギブソン（右）の直球は「恐さがあった」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
JIJI PRESS
生まれは鹿児島の薩摩隼人。育ちは大阪。名門・浪商のケンカ野球で生を受け、明治大学島岡学科の首席卒業と呼ばれた神宮の華から、V9巨人の川上野球を骨身に刻み込んだ現役時代。引退した後は、日本ハム監督、巨人二軍監督、北海道移転後の日本ハムGM、ヤクルト監督と各地を転々としながら、若いチームの土台づくりを担ってきた。
一線を退いていた2011年12月。親会社が変わったDeNAベイスターズから三顧の礼で迎えられ、チーム作りを任されるGMに就任。焼け野原の中から7年間かけ、チームの土台をつくりあげると、2018年いっぱいでGMを退任した。御年78歳。第一線から退いて早5年。高田繁が語ったメジャーで通用するエースの条件は？＜NumberWebインタビュー全2回の2回目／最初から読む＞
「メジャーに通用する投手」の条件は？
――前回は今永昇太（カブス）投手のお話を伺いましたが、高田さんが考える“メジャーに通用する選手の条件”はありますか？
高田 ピッチャーでいえば、やっぱり速いストレートがあって、落ちるボールがあること。山本由伸（ドジャース）、千賀滉大（メッツ）なんかが典型やな。今永みたいなキレで勝負するタイプがメジャーリーグでは一番難しいと思っとった。
――今永投手、その後打たれてしまいましたね。6月22日（現地時間21日）のメッツ戦は10失点でKOされてしまいましたが、次の登板ではすぐに修正して好投しました。
高田 これからが本当の勝負だろうね。
――ちなみに今永投手がこれから勝っていくには何が必要になりますか。
高田 俺にはもうわからんよ（笑）。何度も言うけど、尾崎行雄だ、山口高志だ、伊良部秀輝だって豪球があるならまだわかるんやけど。
――55年以上、プロの投手のボールを実際に間近で見てきて、やはり彼らのストレートはケタが違いましたか？
高田 ハッキリと違うと言えますよ。特に尾崎行雄。あのストレートは俺が見た中では一番だろうね。ボールの速さも凄いんだけど、それ以上にホップしてくるから、必死にタイミングを合わせてスイングしても当たらない。ボールがバットの3つも4つも上を行くんだから。
