W杯後に誓った未来図「より圧倒的な存在に」

　もちろん、ボールを保持する必要性から目を逸らしてはいない。「キープすることはもちろん大事です」と言う。

「後半に関しても、まだまだつなげられる部分もあるなとすごく感じるし、蹴らなくていいのに蹴ったりとか、距離感が少し遠くなってつなげなくなったりとか。蹴っちゃう部分はひとつ、ふたつと動くことだったり、声を出してパスコースを見つけてもらったりとかは、まだまだできると思います。もっともっとできる。それは個人的にもそうですし、チームとしても。つなぐことがいいことかと言われたら分からないですけど、相手ボールになるような蹴り方と意図的なロングボールは違うだろうし、セカンドボールを拾ったあとのクオリティとかは、まだまだ求めていかなきゃいけない部分かなと思います」

アジアカップでは招集メンバーから外れた田中碧　©Kiichi Matsumoto/JMPA

　チームのベースとなる4-2-3-1では、主将の遠藤航と守田英正がダブルボランチの競争をリードする。前回のアジア最終予選で貴重な働きを見せ、カタールW杯でインパクトを残した25歳も、引き続き結果を残していく立場だ。

「自分がやれることをやるのが一番大事だと思います。どっしり構えるというよりは広範囲に動くタイプなので、いろんな局面で顔を出していることが大事で。ただ、動き過ぎてもポジションが崩れるだけなので、そこの使い分けはやっていければ。自分たちのボールの時間を増やしたり、いい流れを作れるようなプレーを心がければいいかなと思っています」

　自身初のW杯を終えた直後、「日本代表のなかで、より圧倒的な存在にならなきゃいけない」と話した。思い描く未来図を現実とするために、田中は決定的な仕事を追求していく。